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アルジェリア 検定1級

ティムガッドの考古遺跡

2021年11月24日

文化遺産
遺産名:
ティムガッドの考古遺跡
Timgad
国名:アルジェリア
登録年:1982年
登録基準:(ii)(iii)(Iv)
概要:
ティムガッド は、西暦100年頃にトラヤヌス帝によって建設された古代ローマの植民都市である。古代ローマ時代にはタムガス (Thamugas) と呼ばれていた。ティムガッドの遺跡は、古代ローマの都市計画に碁盤目状の区画が導入された例を伝える、現存する最良の遺跡の一つである。長い間砂に埋もれていたことから保存状態がよく、「アフリカのポンペイ」の異名をとる。

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遺跡は、現アルジェリアのバトナ (Batna) から35kmのところにある。この町は元々、オーレス山地近隣における対ベルベル人の要塞とすることを主目的に、何もないところに建市された軍事植民地であった。最初にそこに居住したのは、古代ローマ軍での数年の軍役を終え、その見返りに土地を給付されたパルティア人が大半であった。

デクマヌスの西端には、高さ12mの凱旋門「トラヤヌスの門」がそびえている。この門は、1900年に部分的に修復されている。門は主に砂岩で出来ており、3つのアーチを持つコリント様式に属している。この凱旋門は「ティムガッドの門」としても知られている。トラヤヌス帝は多くの「トラヤヌス門」を作ったので、この「ティムガッドの門」はそれらのひとつに過ぎない。

トラヤヌスの凱旋門, Flickr

3500人収容のローマ劇場は保存状態が良く、現代の上演などにも使われている。他の主要建造物には、4つの公衆浴場や図書館、バシリカなどがある。その他にも「小浴場群」、「博物館」、「ビザンティン要塞」、なども存在している。4つの公衆浴場は「東側浴場」「北側浴場」とこれら2つより規模の大きな「南側浴場」「北側浴場」が存在している。

劇場 Flickr

「図書館」は現代のように簡単に本が手に入らなかったローマ時代に、本が集められていたことから「知の宝庫」とされていた。知識があると自認していた者は図書館に通っていたと言われている。「バシリカ」はフォーラムに併設されていた屋根付きの建造物である。ここでは商取引を行う市場の役割や、ときには裁判所として利用されていたこともある。「博物館」はティムガッドの遺跡から発見された200以上のモザイクがここに保存されている。「ビーナスの勝利」などの傑作がここに展示されている。「ビザンティン要塞」はビザンティン帝国が支配した時代に軍隊が駐屯していた場所で、112m×56mという広大な敷地を高さ2.5mという大きな高さの厚い壁で囲っていたとされている。

また、ローマのパンテオンに匹敵する規模の、ユピテルに捧げられた神殿も存在し、そのそばには7世紀に遡る円い後陣を持つ四角い教会堂がある。より後の時代にはなるが、都市の南東部には、東ローマ帝国によって建造されたシタデル(城塞)も存在する。

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都市は建造された後の数百年間は平和を謳歌し、3世紀に始まったキリスト教活動の中心の一つとなった。4世紀には異端派ドナトゥス派の拠点となった。

5世紀には、ヴァンダルの侵略を受け、都市は没落した。535年には東ローマの将軍ソロモン(Solomon)が占拠し、改めて都市を建造した。この結果、主要なキリスト教都市として再び人々が住まうようになったが、7世紀にはベルベル人の侵攻を受け、打ち棄てられた。以降、1881年に発掘されるまで、ティムガッドは歴史の表舞台から姿を消すこととなる。

(Wikipediaより)

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