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ロシア 重要遺産

キージ島の木造教会と集落

2021年11月14日

文化遺産
遺産名:
キージ島の木造教会と集落
国名:ロシア
登録年:1990年
登録基準:(i)(iv)(v)
概要:
キジ島は、ロシア連邦カレリア共和国のオネガ湖に浮かぶ島。キジ島は、ロシア正教会の美しい木造教会建築群で知られる。1960年、島全体が木造建築の特別保存地区に指定され、ロシア全土から様々な木造建築が移築された。1990年、これらの建築群がユネスコの世界遺産に登録された。ロシアでも有数の観光地である。

キジ島は16世紀には、周辺の島嶼に成立していた130あまりの集落の中心地であった。この頃にはすでに顕栄聖堂(プレオブラジェンスカヤ教会)と生神女庇護聖堂(ポクロフスカヤ教会)の原型が成立していたと思われる。しかし、記録によれば顕栄聖堂は1690年に落雷で焼失し、生神女庇護聖堂も老朽化のため破却された。1700年から北方戦争が始まったことにより教会の再建は中断したが、戦後、ロシアはスウェーデンのバルト海における覇権を奪取したことから、カレリア地域における支配もより確固たるものとなった。また、ピョートル大帝による新首都サンクトペテルブルクの造営に代表される新たな社会建設の熱を帯びた時代精神が、この地における木造建築勃興を促すのに影響を与えたとされる。

こうして1714年、再興なった顕栄聖堂(プレオブラジェンスカヤ教会)はまさに珠玉の建築と呼ぶにふさわしいものとなった。22の玉ねぎ型ドーム、最上部は高さ37メートルのドームを持つ、この木造バロックのイコノスタシスは圧巻である。顕栄聖堂には暖房が無く夏季専用の教会であったので、1764年、顕栄聖堂に隣接する形で9つのドームを持つ生神女庇護聖堂が建造された。1874年には鐘楼が建立され、こうして160年の歳月を掛けて、3つの木造教会建築群が完成した。これらの建築において最も特筆すべきひとつに釘をまったく使用していないことが挙げられる。鉄以外の金属はおろか、目地さえも木から作るという徹底振りを無名の職人たちは示した。また、様式の異なる複数の建築による空間構成はその後のロシア建築に大きな影響を与えた。

(Wikipediaより)

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