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イラン 検定1級

ペルシャのカナート

2021年11月22日

文化遺産
遺産名:
ペルシャのカナート
The Persian Qanat
国名:イラン
登録年:2016年
登録基準:(iii)(iv)
概要:
ペルシア式カナートは、イランの世界遺産の一つである。紀元前のペルシアで生まれ、世界に伝播していった地下水路カナートは現代のイランにも数多く残るが、その中でも技術や立地の点で代表的と見なされる11か所のカナートを対象とする世界遺産である。

カナートは山麓に母井戸を掘り、水平に近いなだらかな勾配で横坑を延ばしていき、離れた地域に水を供給するシステムである。その掘削には測量が必要不可欠であり、その技術が洗練されていった。横坑を延ばす際に通気のためや作業のために多くの縦坑を空けることになるので、上空から見ると点状に縦坑が連なって見える。

カナートの仕組み, Flickr

カナートは古代ペルシアで生まれたとされ、その始まりは紀元前2000年とも言われるが、正確な起源は不明である。カナートについての最古の言及とされるのが、紀元前714年の事跡に関する楔形文字の記録である。それには、アッシリアのサルゴン2世がウラルトゥに遠征した際、オルーミーイェでの攻撃の一環で、何らかの用水路と思しき構造物の出口を破壊した旨が記載されており、これがカナートのことであろうと考えられている。

イランの分も含めた、世界中にあるカナートの総数は5万とも言われる。そのうち、発祥地となったイランに残るカナートの数は37,000以上あるいは約4万と言われ、2010年代半ばの時点で稼動中なのは25,000とされる。カナートはテヘラン、ヤズド、エスファハーンといった主要都市を育んだだけでなく、古代にあってはペルシア帝国の成長を支えた。また、民俗とも結びつき、「カナートの結婚」という儀式が残る地方もある。これはカナートの水が涸れないように、未亡人の中からカナートの妻を選び、婚礼を含む祭事を挙行するものである。これは単なる伝統行事としてだけでなく、社会福祉としての側面も指摘される。というのは、妻に選ばれた未亡人は、対価として報酬を受け取り、最低限の生活保障がなされるからである。

(Wikipediaより)

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