イエローストーン国立公園

概要

地図

イェローストーン国立公園のハイキング・ルート

スライドショー

イエローストーン火山の活動

イエローストーン地区は北アメリカ大陸最大の火山地帯である。2015年現在、数百カ所から熱水を噴き上げている。2014年には、1900回以上の地震を記録した。巨大カルデラの形成を伴う超巨大な噴火が約210万年前、約130万年前、約64万年前の計3回起きたことが知られる。最後のカルデラ噴火は64万年前であるが、その噴火は比較的小さな噴火であったにも拘らず、セント・ヘレンズ山の1980年の噴火の1000倍の溶岩が噴出し、火山灰の地層はメキシコ湾に達する範囲で観察されている。イエローストーンは60-70万年前毎の周期で巨大噴火を起こしており、前回の巨大噴火より既に60万年が経過しているので、いずれ近いうち（近いといっても地質学的時間スケールであって数千年から数万年）に巨大噴火が起こることが予想されている。噴火の規模は最悪ピナトゥボ山の噴火（1991年）の100倍以上の規模になるとされる。

主な構成資産

オールド・フェイスフル間欠泉（Old Faithful）

日によって異なるが平均70分間隔で熱湯を噴出。また、こうした熱湯に含まれる石灰分が地表に堆積することによって、何段にもわたるテラスが形成された。代表的なものが公園北部のマンモス・ホット・スプリングスで、この辺りに流れる熱湯によって新たなテラスが形成され続けている。

Grand Prismatic Spring

グランド・プリズム・スプリングは、アメリカ最大の温泉湖であり、ニュージーランドのフライパン湖、ドミニカのボイリング湖に次ぐ世界第3位の温泉湖である。ミッドウェイ・ガイザー・ベイスンに位置している。

グランド・プリズマティック・スプリングは、1871年に行われたヘイデンの地質調査で発見され、その印象的な色調から命名された。その色は、白色光を光学プリズムで虹色に分散させたときに見られる、赤、橙、黄、緑、青のほとんどの色と一致する。

Mammoth Hot Springs

マンモス・ホット・スプリングスは、イエローストーン国立公園内のフォート・イエローストーンとマンモス・ホット・スプリングス歴史地区に隣接するトラバーチンの丘にある大規模な温泉群である。 温泉の熱水が冷えて炭酸カルシウムが堆積し、数千年かけて作られたものである（毎日2トン以上の水溶液がマンモスに流れ込む）。膨大な量の地熱孔があるため、トラバーチンが繁茂している。これらの温泉はカルデラ境界の外側に位置するが、そのエネルギーはイエローストーンの他の地熱地域の燃料となるのと同じマグマシステムによるものだと考えられている。

マンモス・ホット・スプリングスのテラス・マウンテンは、世界最大の炭酸塩沈着泉として知られている。この温泉で最も有名なのは、ミネルバテラスと呼ばれるトラバーチン質の段々畑である。このテラスは、長年にわたって温泉によって堆積されてきたが、最近の小規模な地震活動によって温泉の噴出口が移動し、テラスが乾燥してしまった。

沿革

1857年にイエローストーン地区を探検したジム・ブリッジャーは沸騰する泉や空高く飛び出す水、ガラスや黄色い石で出来た山の事を人々に話したが、ブリッジャーは法螺吹きとして通っていた為にほとんど信じてもらえなかった。しかし彼の話に興味を持った探険家兼地質学者のフェルディナンド・ヴァンデヴィア・ヘイデンは、1859年にブリッジャーとアメリカ陸軍測量官のレイノルズを伴って2年の予定でミズーリ川上流の測量の旅に出かけた。一行はイエローストーン地区の入り口まで達したが、豪雪のために先に進めなかった。

1871年、ヘイデンは政府支援により大規模な2度目の探検隊を率いてイエローストーン地区に赴いた。ヘイデンはイエローストーンの総括報告書をまとめた。このレポートによって議会はイエローストーン地区をオークションにかけて売却する案を変更し、1872年3月1日にユリシーズ・グラント大統領はイエローストーン国立公園を設立する法案に署名した。これは、世界で最初の国立公園であった。イエローストーン国立公園が契機となって自然保護の意識が芽生え、各地に国立公園を制定する動きが広がった。

イエローストーン国立公園は、1978年、世界遺産に登録された。

世界遺産クイズ

関連動画へのリンク

世界遺産解説Ep.4 　イエローストーン国立公園　～大自然が織りなす壮大な景観と豊かな生態系～

Yellowstone: World's First National Park | National Geographic

UNESCO公式HP（英語版）へのリンク

https://whc.unesco.org/en/list/28