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インド 重要遺産

西ガーツ山脈

2021年11月23日

自然遺産
遺産名:
西ガーツ山脈
Western Ghats
国名:インド
登録年:2012年
登録基準:(ix)(x)
概要:
西ガーツ山脈は、インド亜大陸の西海岸沿いにあり、標高1,000〜2,690mの山々が全長1,600kmにも渡って連なる山脈である。ヒマラヤ山脈よりも古く、インド全域の気候に大きな影響を与えており、多くの川の水源となっている。数々の国立公園、自然保護区域などがあり、世界で最も多様な生物が見られる8つの「ホットスポット」の一つである。2012年、UNESCOの世界遺産に登録された。

西ガーツ山脈は熱帯にありながら、モンスーンの影響で高山森林の生態系を有しており、地球上における代表的なモンスーン気候帯の特徴を有している。インド半島は約1億8000万年前にはゴンドワナ大陸の一部としてアフリカと地続きであったが、約1億3000万年前から約5000万年前までは孤立した島となり、その後、ユーラシア大陸に衝突して現在の形となった。このような地史を反映して、アフリカ由来とアジア由来の生物が混在し、さらに独特の進化が見られるような進化の移行帯となっている。西ガーツ山脈一帯の、種の多様性に富むとともに、大陸にもかかわらず固有種が多い。顕著な生物多様性と固有種の多さは、「地球上の生態系にとってのホットスポット」として知られており、 世界的に絶滅が危惧されている植物相、動物相、鳥類、両生類、爬虫類、魚類が、少なくとも325種生息している。

登録基準 (ix): 西ガーツ山脈地域は、ジュラ紀初期に古代のゴンドワナ大陸が分裂し、次にインドが孤立した陸塊となり、3番目にインド陸塊がユーラシア大陸と一緒に押し出されたことに関連する種分化を示している。ガーツ山脈の気候パターンが良好であったことと、高い勾配が存在したことにより、高い種分化がもたらされた。西ガーツ山脈は、種の分散と迂回に関する「脱アフリカ」と「脱アジア」仮説を示す「進化的エコトーン」である。

登録基準(x)。西ガーツ山脈は、大陸地域としては例外的なレベルの動植物の多様性と固有性を有している。特に、西ガーツ山脈で記録された 4-5,000 種の植物のうち、固有性のレベルが非常に高く、西ガーツ山脈で見られる約 650 種の樹種のうち、352 種(54%)が固有種である。両生類(179種、65%が固有種)、爬虫類(157種、62%が固有種)、魚類(219種、53%が固有種)など、動物の多様性も例外的である。無脊椎動物の生物多様性も非常に高い(タイガーベイトルの約80%が固有種)ことが知られている。アジアゾウ、ガウル、タイガーなど、世界的に絶滅の危機に瀕している「景観種」の単一最大個体群の一部を含む、多数の旗艦哺乳類がこの土地に生息している。また、ライオンテイルマカク、ニルギリータール、ニルギリラングールなどの絶滅危惧種は、この地域特有の動物である。また、この土地は、季節ごとに大量の花を咲かせるユニークなワイルドフラワーの草原、ショーラ森林、ミリスティカ湿地帯など、多くの絶滅危惧種の生息地を保護する鍵にもなっている。

(Wikipediaより)

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