人類化石の発掘現場, Flickr

南アフリカ共和国 検定1級

南アフリカの人類化石遺跡群

2021年11月25日

文化遺産
遺産名:
南アフリカの人類化石遺跡群
Fossil Hominid Sites of South Africa
国名:南アフリカ
登録年:1999年
登録基準:(iii)(vi)
概要:
南アフリカの人類化石遺跡群は、人類の進化の研究において、重要な化石人骨などが出土した遺跡群を対象とする南アフリカ共和国の世界遺産である。1999年にスタルクフォンテイン、スワルトクランス、クロムドライなどを対象として「スタルクフォンテイン、スワルトクランス、クロムドライおよび周辺地域の人類化石遺跡群」の名称でユネスコの世界遺産リストに文化遺産として登録され、2005年にマカパン渓谷、タウング頭蓋化石出土地が追加登録された。現在の名称に変更されたのは2013年のことである。

アウストラロピテクス属が最初に発見された遺跡を含み、アウストラロピテクス・アフリカヌスやパラントロプス・ロブストゥスなど多数の人類化石が発見されている。このため、「人類のゆりかご」(Cradle of Humanity)(人類発祥の地とも)と名付けられてる。のちにルーシーやセラムの発見に代表されるエチオピアなどでの発掘と研究の進展によって、東アフリカこそ「人類のゆりかご」などといわれるようにもなったが、21世紀に入っても南アフリカでは新種のアウストラロピテクスを含む重要な化石の発見があり、「人類のゆりかご」の地位を再び取り戻すことにつながる可能性を示唆する者もいる。

Australopithecus africanus (復元), Wikipedia

1935年ロバート・ブルームがスタークフォンテーンで初めて猿人の化石を発見し、この場所での作業を開始した。1938年、小学生のゲルト・テルブランシュが、クロムドラーイの近くからレイモンド・ダートに頭蓋骨の断片を持ち込んだ。同じく1938年には、クロムドラーイとスタークフォンテンの間にあるクーパーズ・サイトで猿人の歯が1本発見された。1948年には、アメリカのキャンプ・ピーボディ探検隊がボルト・ファームとグラディスベールでヒト科の化石を探したが、発見できなかった。その後、1948年にロバート・ブルームがスワートクランズ洞窟で初めてヒト科の遺体を確認した。1954年、C.K.ブレインはクーパーズ・ケーブをはじめとするクレイドルの遺跡で調査を開始した。1954年、C.K.ブレインはクーパーズ・ケーブをはじめとするクレイドルの遺跡の調査を開始し、スワートクラン洞窟での30年にわたる調査を経て、クレイドルでは2番目に大きなヒト科の遺骨のサンプルを回収した。また、ホモ・エレクトスが火を使っていた最古の記録もスワートクラン洞窟で発見され、100万年以上前のものとされた。

1966年、フィリップ・トビアスがスタークフォンテーンの発掘を開始したが、これは現在も続いており、世界で最も長く継続している化石発掘である。1991年、ウィットウォータースランド大学のリー・バーガーがグラディスベール遺跡から初めてヒト科の標本を発見し、南アフリカで48年ぶりに新しい初期ヒト科の遺跡が発見された。1994年には、アンドレ・キーザーがドリモレン遺跡でヒト科の化石を発見した。1997年には、ウィットウォータースランド大学のケビン・カイケンダルとコリン・メンターがゴンドリン遺跡で2本のヒト科動物の歯の化石を発見した。また1997年には、ロン・クラークによって、約330万年前のアウストラロピテクスのほぼ完全な骨格「リトル・フット」が発見された(ただし、最近の年代測定では250万年前に近いとされている)。2001年には、デューク大学のスティーブ・チャーチルとリー・バーガーが、プラバーズ・レイクで近世人の遺骨を発見した。同じく2001年、クーパーズで最初のヒト科動物の化石と石器が原位置で発見された。2008年、リー・バーガーはマラパ化石サイトで、178万年前から195万年前に生息していた2人のヒト科動物(アウストラロピテクス・セディバ)の部分的な遺骨を発見した。

(Wikipediaより)

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