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モーリタニア

バン・ダルガン国立公園

2021年11月25日

自然遺産
遺産名:
バン・ダルガン国立公園
Banc d'Arguin National Park
国名:モーリタニア
登録年:1989年
登録基準:(ix)(x)
概要:
バン・ダルガン国立公園は、ヌアクショットとヌアディブの間に位置する、モーリタニア西岸の国立公園である。ティミリス岬を中心とする12000km2の国立公園で、面積のおよそ半分は海域である。沖合いには暖流と寒流がぶつかる潮目があるため、魚が多く集まり、それを目当てとする鳥類や海棲哺乳類も多く集まる。とりわけ、公園内のティドラ島、ニルミ島、ナイル島、キジ島、アルガン島などを含む砂州は、渡り鳥の楽園と化している。こうした鳥類と海洋生物の多彩さが評価され、ユネスコの世界遺産リストに登録されている。

バン・ダルガン国立公園が鳥類の数の多さと種の多さの両面で、ジュッジ鳥類国立公園やサルーム・デルタなどを凌駕する西アフリカ最重要の鳥類の繁殖地・越冬地であることは、国際自然保護連合(IUCN)やバードライフ・インターナショナルが共通して認識するところである。この国立公園には、およそ700万羽の渡り鳥が飛来し、そのうち300万羽がこの地で越冬する。ヨーロッパ大陸やシベリアなどから飛来する渡り鳥もいる。鳥類の種は108種以上と見積もられ、100万羽におよぶクロアジサシを筆頭に、オオフラミンゴ、モモイロペリカン、シロペリカン、ハジロコチドリ、オオソリハシシギ、アカアシシギ、コオバシギ、ダイゼン、ヘラサギ、セグロアジサシなどが見られる。

また、海棲哺乳類に目を移すと、ウスイロイルカ、ハナゴンドウ、マイルカ、ハンドウイルカ、シャチ、ナガスクジラ、チチュウカイモンクアザラシなど、こちらも多彩である。特に絶滅寸前のチチュウカイモンクアザラシは約100頭の生息が確認されており、これは全世界の生息数の約25%と見積もられている。

また、絶滅が危惧されているウミガメも多く、絶滅危惧種のアオウミガメとアカウミガメ、絶滅寸前のオサガメとタイマイ、危急種のヒメウミガメの繁殖も確認されている。魚類にも稀少な種はいくつもおり、絶滅危惧種のノコギリエイの仲間スモールトゥース・ソーフィッシュ(英語版)、危急種のシロシュモクザメなどが生息している。

バン・ダルガン国立公園は1976年に設定された。1982年にはラムサール条約の登録地となり、1986年にはブラン岬 (Cap Blanc) のレヴリエ湾完全保護区 (Reserve Intégrale de la Baie du Lévrier) とラス・クエベシリャス完全保護区 (Reserve Intégrale de Las Cuevecillas) を合わせたブラン岬完全保護区が追加された。ブラン岬周辺は、前出の稀少なチチュウカイモンクアザラシの生息域になっており、完全保護区の設定はチチュウカイモンクアザラシの保護を主目的としており、世界最大の生息地となっている。

(Wikipediaより)

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