スペイン 世界遺産100選 重要遺産

歴史都市トレド

2021年11月3日

文化遺産
遺産名:
歴史都市トレド
Historic City of Toledo
国名:スペイン
登録年:1986年
登録基準:(i)(ii)(iii)(iv)
概要:
トレドはスペイン・カスティーリャ=ラ・マンチャ州のムニシピオ(基礎自治体)。カスティーリャ=ラ・マンチャ州の州都であり、トレド県(人口約60万人)の県都である。マドリードから南に71kmの距離で、タホ川に面する。

かつての西ゴート王国の首都であり、中世にはイスラム教・ユダヤ教・キリスト教の文化が交錯した地である。レコンキスタの末、1085年にキリスト教徒の手に戻り、カスティーリャ王国の王都となった。「町全体が博物館」と言われ、タホ川に囲まれた旧市街は世界遺産に登録されている。また、ルネサンス期のスペインを代表するギリシア人画家のエル・グレコが活躍した町としても有名。1577年ごろギリシア人の画家エル・グレコがトレドに定住し、1614年に没するまで数々の傑作を残した。19世紀以降にエル・グレコは重要な画家として再発見され、現在ではトレドとエル・グレコは結び付けられて語られるようになった。

トレド大聖堂はスペイン国内最大のカトリック教会の総本山である。1226年に着工し1493年にようやく主要部分が完成。中央礼拝堂の彫刻装飾「トランスパレンテ」はスペイン・バロックの傑作である。
(Wikipediaより)

トレドの歴史

先史時代から人が住んでおり、ローマの領地となってからは「トレトゥム」と呼ばれた。西ゴート王国がイベリア半島を支配したのち、560年にアタナヒルド王によって首都とされた。トレドでは400年に第1回トレド教会会議が開かれていたが、西ゴート時代にもたびたび教会会議が開かれた。これによりトレド司教座の権威が高まり、イベリア半島全体の首座大司教座(トレド大司教(英語版))となった。

711年、ウマイヤ朝の指揮官ターリク・ブン・ジヤードによって征服され(グアダレーテの戦い)、イスラム支配下に入った。1031年に後ウマイヤ朝が崩壊すると、タイファ諸国の1つトレド王国の領域となった。1085年、カスティーリャ王国による長期の包囲ののちトレドは降伏し、アルフォンソ6世は5月26日にトレドに入城した。1086年10月23日にサグラハスの戦いでムラービト朝のユースフ・イブン・ターシュフィーンが率いるイスラム軍の救援部隊の前にアルフォンソ6世は敗走したものの、カスティーリャはムラービト朝の攻撃からトレドを守り抜いたため、トレド征服はレコンキスタの節目の1つとなっている。

歴代のトレド大司教は首座大司教の権利を他の大司教と争いながら、トレド教区の発展に尽くした。特に1209年から1247年まで大司教だったロドリゴ・ヒメネス・デ・ラダはレコンキスタとカスティーリャ文化の発展に生涯を捧げ、1212年のナバス・デ・トロサの戦いに向けてキリスト教諸国を和睦で結集させ自らも参戦、戦後もレコンキスタで占領した土地をトレドに組み入れ、モスクを教会に転用する活動も行った。文化面でも功績を残し、トレド翻訳学派(スペイン語版、英語版)と呼ばれる学者集団を支援、古代文献をアラビア語からラテン語に翻訳する彼等の活動を奨励、自らも1226年にトレド大聖堂建設を始め、1243年に年代記『ゴート史』を書き残した。

トレドは鉄製品、特に剣の生産で有名となり、現在でもナイフなど鉄器具の製造の中心地である。トレド征服以降、カスティーリャ王国やスペイン王国は定まった首都を持たず、トレドは一時的な宮廷の所在地であった。1561年、フェリペ2世がトレドからマドリードに宮廷を移すと、マドリードが首都として確定し、トレドはゆるやかに衰退を始め、現在に至っている。

主な構成資産

バブ・アル・マルドゥム・モスク(クリスト・デ・ラ・ルス教会)

1000年ごろに建てられたイスラム様式のモスク「バブ・アル・マルドゥム・モスク」がキリスト教の「光のキリスト聖堂」に転用されたもの。

バブ・アル・マルドゥム・モスク(Flickr)

トレド大聖堂

サンタ・マリア・デ・トレド大聖堂(Catedral de Santa María de Toledo)またはトレド大聖堂(Catedral de Toledo)は、トレドにあるカトリックの大聖堂。トレド大司教座が置かれている。トレド大司教はスペイン・カトリック教会の首位聖職者とされている。

1226年、カスティーリャ王フェルナンド3世時代に建設が始まり、カトリック両王時代の1493年に完成した。その構造は13世紀のフランスゴシック様式の影響を大きく受け、ブールジュのサン=テチエンヌ大聖堂を模したとされる。しかし、ムデハル様式など、スペイン独自の特徴が加わっている。全長120mで幅が59m。中央礼拝堂の彫刻装飾「トランスパレンテ」はスペイン・バロックの傑作である。

トレド大聖堂 (Flickr)

トランスパレンテ (Flickr)

エル・グレコ美術館

エル・グレコのアトリエが再現されている。『トレドの景観と地図』などの作品が展示されている。庭園が美しい。

エル・グレコ「トレドの景観と地図」 (Flickr)

エル・グレコ美術館 (Flickr)

世界遺産クイズ

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関連動画へのリンク

スペイン、トレド:もつれた歴史 (Rick Steves)

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