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コロンビア 検定1級

ティエラデントロ国立考古公園

2021年11月16日

文化遺産
遺産名:
ティエラデントロ国立考古公園
National Archeological Park of Tierradentro
国名:コロンビア
登録年:1995年
登録基準:(iii)
概要:
ティエラデントロ国立考古公園は、コロンビアのカウカ県に残る考古遺跡で、先コロンブス期の文化的宝庫として1995年にはユネスコの世界遺産リストに登録された。日本では「ティエラデントロ(の)国立遺跡公園」とも訳される。6〜10世紀に先住民パエス人がつくった円形の地下墓室が点在する考古学地域。

ティエラデントロは地下埋葬所や記念碑的な像が発見された考古遺跡で、考古学的に最も重要なのはセゴビアの丘(Alto de Segovia)、小妖精たちの丘(Alto del Duende)、サン・アンドレスの丘(Alto de San Andrés)、 アボカドの丘(Alto del Aguacate)である。この公園は考古学的な博物館であるとともに、民族学的な博物館であるともいえる。

この地域は、先コロンブス期の記念碑的なシャフト墓の最大の濃度を保持している側室と呼ばれる- hypogea-丘や山の尾根の下に火山凝灰岩に刻まれている。幅12m、深さ7mにも及ぶこれらの建造物は、紀元600年から900年にかけて作られ、エリート集団の集団副葬品として使用された。ロビーと部屋に通じる階段の凝灰岩による見事な彫刻や、綿密な計画を必要とする心柱と周柱など、大型住宅のような部屋を持つこれらの墓の建築がいかに複雑であるかは明らかである。墓は、しばしば白地に赤や黒の絵の具で精巧な幾何学模様、ズーモルフィック、擬人化したデザインを施した多色壁画で飾られ、より印象的な地下構造物の部屋も精巧な擬人化彫刻で飾られている。小型のヒポゲアは深さ2.5mから7mで、床は幅2.5-3mの楕円形、大型のものは幅10-12mにもなる。後者で最も印象的なのは、2本または3本の独立した中央の柱と、その間にニッチを持つ壁に沿ったいくつかの装飾されたピラスターがあるものである。

考古学的・人類学的知見の現状から、ヒポゲア(地下墓)の建設者たちは、この地域の山の斜面や谷に住んでいたことが推測される。谷間では小さな集落を形成し、丘陵地では田畑の近くに分散して居住していた。楕円形のプランの居住地は、人工的な段丘の上に建てられ、床は土で固められていた。木枠の中はワトル・アンド・ダブで埋められ、屋根は茅葺きであった。内部は仕切られておらず、燃焼室は1つで、寝床は木製のベンチが置かれていた。地下工事の規模やハイポゲア内での遺体の処理方法から、祭司機能を持つ首長を中心とした階層的な社会・政治構造が存在したことがわかる。ティエラデントロ地域の石像は、非常に重要である。これらは火山性の石材から彫られ、上肢を胸に抱えた人間の立像を表している。男性像は帯状の頭飾り、長い布、様々な装飾品を身につけ、女性像はターバン、袖なしのブラウス、スカートを身に着けている。ネコ科の動物や水陸両用の動物も彫刻で表現されている。

側室を持つ地下墓はメキシコからアルゼンチン北西部までアメリカ全土で発見されているが、最も集中しているのはコロンビアである。しかし、ティエラデントロの地下墳墓がユニークなのは、その数と集中度だけでなく、構造的、内部的な特徴である。

(世界遺産センターHPより)

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