Flickr

アゼルバイジャン

シルヴァンシャー宮殿と乙女の塔のある城壁都市バクー

2021年11月20日

文化遺産
遺産名:
シルヴァンシャー宮殿と乙女の塔のある城壁都市バクー
Walled City of Baku with the Shirvanshah's Palace and Maiden Tower
国名:アゼルバイジャン
登録年:2000年
登録基準:(iv)
概要:
城壁都市バクー、シルヴァンシャー宮殿、及び乙女の塔は、アゼルバイジャンの首都バクーの歴史的建造物に設定されたユネスコの世界遺産(文化遺産)である。アゼルバイジャンにおいて国内最初の世界遺産。

この世界遺産が設定されているのは、カスピ海沿岸の都市バクーの旧市街である。城壁内は一般にイチェリ・シェヘル(アゼルバイジャン語で「内城」の意)と呼ばれている。バクーの町は5世紀頃からあったとされるが、その存在が確認されるのは10世紀以降である。バクーは伝統的に現在のアゼルバイジャン共和国東部にあたるシルヴァン地方の主要都市で、もともとペルシア人のゾロアスター教徒の多い街であったが、アラブ人とともにイスラム教が到来し、さらに現在のアゼルバイジャン人の直接の先祖となるテュルク系の遊牧民が侵入した。

1538年までは、土着の王朝シルヴァン朝が首都としていたが、南のアーゼルバーイジャーン地方(現在のイラン領アゼルバイジャン)に興ったサファヴィー朝の支配を受け、さらに1585年にはオスマン帝国によって征服された。まもなく17世紀にはサファヴィー朝の支配下に戻るなど、イランとトルコの政権の間で争奪が続いたが、1806年にはカスピ海西岸を南下してきたロシア帝国によって占領され、ロシア人主導で近代都市が建設された。さまざまな民族の支配を受けたことにより、バクーはアゼルバイジャン固有の文化はもとより、アラブ、イラン、ロシアなどの影響と文化が共存する独自の景観を持つようになった

城壁内にはモスクやゾロアスター教寺院などがあり、12世紀に建造された楕円形の見張り塔である乙女の塔と、シルヴァン朝により15世紀に建造されたシルヴァンシャー宮殿は、アゼルバイジャン建築の傑作とされている。

(Wikipedia、『世界遺産大事典』より)

-アゼルバイジャン