ラムの旧市街 , Flickr

ケニア 重要遺産

ラムの旧市街

2021年11月24日

文化遺産
遺産名:
ラムの旧市街
Lamu Old Town
国名:ケニア
登録年:2001年
登録基準:(ii)(iv)(vi)
概要:
モンバサの北約350kmの東アフリカ沿岸にある島にあるラムの町が出来たのは14世紀のことで、スワヒリ系の建造物群がいまなお良好に現存している。この東アフリカで現存する最古のスワヒリ建造物群が評価され、旧市街がユネスコの世界遺産に登録されている。古い町並みの通りは狭く、自動車は通れないが、徒歩や自転車で見て回れば十分である。なお、観光には地元で好まれるロバも使われる。

16ヘクタールの土地にある建物の集合体を中心に、ラムは社会と文化の整合性を保ち、本物の建物の構造を現在に至るまで保持している。かつて東アフリカで最も重要な貿易の中心地だったラムは、宗教的、文化的、技術的な専門知識において、地域全体に重要な影響を及ぼしてきた。保守的で緊密な社会であるラムは、毎年行われるマウリディと文化祭に見られるように、イスラムとスワヒリ文化の教育の重要な中心地としての地位を保っている。

この町は、スワヒリ、アラビア、ペルシャ、インド、ヨーロッパの建築様式がユニークに融合した、狭い道と、印象的な曲線のドアのある壮大な石造りの建物が特徴である。海沿いの建物は、アーケードやオープンベランダを備え、海から町に近づくと統一された視覚的な印象を与えてくれる。一方、ヴァナキュラー建築は、天井画、大きなニッチ(マダカ)、小さなニッチ(ジダカ)、中国の磁器の破片などで内部が装飾されている。これらの建物は保存状態がよく、サンゴ、石灰、マングローブの支柱をベースにしたスワヒリ建築技術の発展を象徴するような長い歴史を背負っていまる。

ラム島の建築と都市構造は、700年以上にわたってヨーロッパ、アラビア、インドからもたらされた文化の影響を、スワヒリの伝統的な技術を駆使して、独自の文化を生み出してきたことを如実に示している。この物件は、空間構成と狭く曲がりくねった通りによって定義された、スワヒリ独特の建築が特徴である。この迷路のような街並みは、アラブの伝統的な土地配分と都市開発に由来している。また、いくつかの小さな区(ミタア)に分けられた住居のクラスターによって定義されており、それぞれが密接に関連する多くの系統が住んでいる建物のグループとなっている。

かつては奴隷貿易の中心地のひとつであった。ラムの民族構成は多彩だが、主要なアラビア交易ルート上に位置したので、住民はほとんどがイスラム教徒である。儀礼に使った角が多く展示されているラム博物館をはじめとして、町にはスワヒリ文化にゆかりのあるものや地元の郵便制度に関するものなど、博物館がいくつもある。

登録基準2:ラムの建築と都市構造は、ヨーロッパ、アラビア、インドから数百年の間に受けた文化的影響が、スワヒリ語の伝統的な技術を利用して、独特の文化を生み出したことを如実に示している。

登録基準4:東アフリカ沿岸の港の成長と衰退、バンツー、アラブ、ペルシャ、インド、ヨーロッパ人の交流は、この地域の歴史における重要な文化的・経済的段階であり、ラム旧市街はその最も優れた表現である。

登録基準(vi):ラムは、その最も重要な貿易の役割と学者や教師を惹きつけることから、東・中央アフリカの重要な宗教的機能(毎年のマウリディとラム文化祭など)を持つようになった。イスラムとスワヒリ文化の教育の重要な中心地であり続けている。

(Wikipedia、世界遺産センターHPより)

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