ローマ時代の金鉱山の遺跡 ,Flickr

2021年登録遺産 ルーマニア 文化的景観 検定1級

ロシュア・モンタナスの鉱山景観

2021年11月26日

 文化遺産、危機遺産、文化的景観
遺産名:
ロシュア・モンタナスの鉱山景観
Roșia Montană Mining Landscape
国名:ルーマニア
登録年:2021年
登録基準:(ii)(iii)(iv)
概要:
ルーマニア西部のアプセニ山脈の金属層に位置するロシュア・モンタナスは、碑文の時点で知られている、最も重要で広範囲、かつ技術的に多様な地下ローマ金鉱群を特徴としている。アルブルヌス・マイオールとして、ローマ帝国時代に大規模な金鉱採掘が行われていた。106年から166年間に渡って、ローマ人はこの場所から約500トンの金を採掘した。高品質の鉱石を採掘するために選ばれた4つの地下の場所で、高度な技術を駆使して、合計7kmに及ぶ様々な種類の坑道といくつかの水車を建設した。ワックスでコーティングされた木製の石板からは、アルブルヌス・マイオールだけでなく、ダキア地方全体のローマ時代の採鉱活動について、法律、社会経済、人口統計、言語などの詳細な情報が得られた。この遺跡では、輸入されたローマ時代の採掘技術と地元で開発された技術が融合しており、このような初期の時代には他では知られていない。このサイトでは、中世から近代にかけても、規模は小さいながらも採掘が行われていた。後に行われた採掘作業は、ローマ時代の坑道を取り囲み、横断している。遺跡は、18世紀から20世紀初頭にかけて鉱山を支えたコミュニティの構造を反映した農耕牧畜の風景の中にある。

本遺産に関しては、もともと青化法による精錬でのシアン化物汚染で地域住民との裁判が続けられてきたが、1999年に鉱山の採掘権を取得したカナダのGabriel Resources社が採掘を強行。2016年に暫定リストに掲載された頃から、発破や大型掘削機・鉱石積載車両走行のため歴史的な旧搬出路が破壊されるなどしている。現在、投資紛争解決国際センターに提訴し係争中。このため、第44回世界遺産委員会で、文化遺産に新規登録されると同時に、危機遺産リストにも登録された。

(『世界遺産センター』HPより)

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