1978年登録遺産 ポーランド 検定2級 重要遺産

ヴィエリチカとボフニャの王立岩塩坑

2021年4月10日

文化遺産
資産名:
ヴィエリチカとボフニャの王立岩塩坑
Wieliczka and Bochnia Royal Salt Mines
国名:ポーランド
登録年:1978年
登録基準:(iv)
概要:
クラクフの南東15kmにある世界最古の岩塩採掘場。13世紀に採掘が始まり、深さ300m以上、総延長300kmに及ぶ坑道が、地下9層にわたって広がっていいる。最盛期の14〜16世紀には、岩塩抗によって得られる収入がポーランド王国の財源の3分の1を占めたといわれている。1996年に商業採掘を中止し、現在では観光地になっている。

1044年の創業。12世紀末にポーランド王カジミエシュ2世がこの地に城壁を築き、ヴィエリチカの採掘権を独占。「キンガ妃の指輪事件」がきっかけとなり国営企業となったのは1250年。廃坑になっていない岩塩坑としては世界最古で、同時に世界最古の製塩企業でもある。深さは地下 327 m 、全長は 300 km 以上に及ぶ(廃坑になっているものも含めると世界最古の岩塩坑は同じくポーランド共和国マウォポルスカ県にあるボフニャ岩塩坑。また現在操業中の岩塩坑でポーランド最大規模のものはヴィエルコポルスカ県クウォダヴァ町にあるクウォダヴァ岩塩坑)。

特筆すべきは、観光客向けの 3.5 km の坑道で、歴史上や神話上の様々なモチーフを象った彫像が並んでいる。その全ては、坑夫たちが信仰のために岩塩を彫り上げたものである。さらには屈曲した部屋や礼拝堂が岩塩で形成され、岩塩採掘史の展示までがなされている。さながらそこは岩塩製の地下大聖堂のごとき景観を呈しているのである。

この岩塩坑には年間110万人もの観光客が訪れる。長い歴史においてこの岩塩坑を訪れた有名人には、ニコラウス・コペルニクス、ヨハン・ヴォルフガング・フォン・ゲーテ、アレクサンダー・フォン・フンボルト、ドミトリ・メンデレーエフ、イグナツィ・パデレフスキ、ロバート・ベーデン=パウエル、カロル・ヴォイティワ(後のヨハネ・パウロ2世)、ビル・クリントンなどがいる。

総延長300kmに及ぶ坑道内には、頑丈な岩塩に守られた空間が広がっており、岩塩に彫られたいくつもの彫刻が残されている。特に、地下101mにある聖キンガの礼拝堂にある彫刻は有名で、精緻なレリーフや彫像、シャンデリアなど、すべて岩塩でつくられた芸術作品が見る者の目を奪う。

聖キンガの礼拝堂 (Flickr)

聖キンガとはポーランド王と結婚したハンガリーの王女のことで、ヴィエリチカ岩塩坑は聖キンガが指輪を投げ入れた場所から見つかったという伝説が語り継がれている。壁面には鉱山労働者が彫った「最後の晩餐」の模写などが緻密なレリーフで表現されている。

「最後の晩餐」のレリーフ (Flickr)

(Wikipediaより)

関連動画へのリンク

Wieliczka and Bochnia Royal Salt Mines UNESCO

Royal Salt Mines in Wieliczka and Bochnia, Poland - World Heritage Journeys

世界遺産クイズ

ヴィエリチカとボフニャの王立岩塩坑について、正しいものはどれか

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