文化的景観
遺産名:
国名:ドイツ
登録年:2002年
登録基準:(ii)(iv)(v)
概要:
ライン渓谷中流上部は、ドイツの世界遺産の1つ。ラインラント=プファルツ州の都市であるコブレンツとビンゲン・アム・ラインの間のライン川の65キロメートルの渓谷のことを指す。登録範囲は、272.5平方キロメートル及び緩衝地帯は、約346.8平方キロメートルに及ぶ。
先史時代より、ライン川は、中央における交易の重要な通路であり、ライン川の堤防に連なる形で、小さな集落が形成されてきた。この地域では、封建領主達が川を通る船から高い通行税を徴収していた。
時代が進むにつれ、多くの城塞が建設されるようになり、神聖ローマ帝国時代は、この地域は、帝国の中枢となった。三十年戦争中に、多くの城塞が廃墟になったものの、渓谷に沿ってのクルージングが現在では盛んな地域であり、今もなお、古城、古い町並みを残す都市群、聖堂、修道院といった中世以来の景観が残されている。19世紀初頭にシュトルツェンフェルス城やカッツ城などの城が、ロマン主義の影響を受けつつ再建された。
(Wikipediaより)
世界遺産の登録範囲と構成都市群
ライン川ハイキング・ルート
コブレンツ (Koblenz)
モーゼル川とライン川の合流点に位置し、河川交通の要衝である。モーゼル川がライン川に注ぎ込む箇所は、ドイチェス・エック(Deutsches Eck)と称される。ドイツ騎士団が1216年より後に、この地に騎士団の建物を創設したことに由来する。ワインの取引の他、そのライン川沿いの景観から観光業も発達している。
ストルツェンフェルス城 (Schloss Stolzenfels)
ストルツェンフェルス城は、もともと1259年にライン川の料金所をもう英する目的で建造された城砦だったが、30年戦争などで破壊された。1823年、城はコブレンツしの所有物となり、市はプロシャのフレデリック4世に贈与した。フレデリックは城を再建し1842年に完成した。第一次世界大戦後、城は州の所有となった。
ボッパルト(Boppard)
ボッパルト(Boppard)市は、ドイツ西部のラインラント=プファルツ州に属する市。ボンから東南におよそ70kmのライン河沿岸に位置する。面積はおよそ75平方km。人口はおよそ1万6500人。ワインの産地としても有名。フィリップ・フランツ・フォン・シーボルトがここで生活し「日本文書」を著した。また平成5年(1993年)には、明仁天皇、皇后美智子(いずれも当時)が訪れた。また、1965年(昭和40年)に、日本の東京都青梅市と姉妹都市提携を結ぶ。
ネコ城(Burg Katz)
ドイツ連邦ラインラント=プファルツ州ザンクト・ゴアールスハウゼンのライン川上流沿いにある城。西ドイツ政府から日本人男性がホテルにする目的で購入し修復したが、世界遺産のライン渓谷中流上部に含まれたことで頓挫した。規制によりカーテンをつけるといった変造はできない。
ネコ城はその名のとおり「猫」という意味があるが、その理由としてふたつのことが挙げられる。ひとつめは、この城を建てた人物が猫のような顔をしていたということ。ふたつめは、城の一部が猫に似ていたということである。また、城を建てたカッツェンエルンボーゲンのヴィルヘルム2世(カッツェンエルンボーゲンはドイツ語で「猫の肘」の意)の名前にちなんでいるという説もある。
ザンクト・ゴアールスハウゼン(Sankt Goarshausen)
ザンクト・ゴアールスハウゼン(Sankt Goarshausen)は、ドイツ連邦共和国 ラインラント=プファルツ州ライン=ラーン郡に存在する市。ローレライ連合自治体 ( Verbandsgemeinde Loreley) の行政庁所在地となっている。
コブレンツの南約30kmに位置する。ユネスコの世界遺産「ライン渓谷中流上部」の領域内にある観光の街で、ライン川の右岸にある。対岸にはザンクト・ゴアーがあり、近くには有名なローレライがある。
ローレライ ( Loreley)
ローレライ(Loreley)は、ドイツのラインラント=プファルツ州のライン川流域の町ザンクト・ゴアールスハウゼン近くにある、水面から130mほど突き出た岩山、あるいはその岩にいるとされる精霊の伝承のことである。伝承を基にしたハインリヒ・ハイネの同名の詩もまた有名である。
この岩山は、スイスと北海をつなぐライン川の中で、一番狭いところにあるため、流れが速く、また、水面下に多くの岩が潜んでいることもあって、かつては航行中の多くの舟が事故を起こした。 この「ローレライ付近は航行の難所である」ことが、「岩山にたたずむ美しい少女が船頭を魅惑し、舟が川の渦の中に飲み込まれてしまう」という伝承に転じ、ローレライ伝説が生まれた。
ライン川下りは、ドイツの観光として有名であるが、ローレライ周辺は、ブドウ畑や古城が建ち並ぶ、見所の多い辺りである。また、この岩山に向かって叫ぶと木霊が返ってくるため、舟人たちの楽しみにもなっていたともいわれている。(Wikipediaより)
Die Loreley Heinrich Heine
1.
Ich weiß nicht, was soll es bedeuten,
Daß ich so traurig bin,
Ein Märchen aus uralten Zeiten,
Das kommt mir nicht aus dem Sinn.
Die Luft ist kühl und es dunkelt,
Und ruhig fließt der Rhein;
Der Gipfel des Berges funkelt,
Im Abendsonnenschein.
2.
Die schönste Jungfrau sitzet
Dort oben wunderbar,
Ihr gold’nes Geschmeide blitzet,
Sie kämmt ihr goldenes Haar,
Sie kämmt es mit goldenem Kamme,
Und singt ein Lied dabei;
Das hat eine wundersame,
Gewalt’ge Melodei.
3.
Den Schiffer im kleinen Schiffe,
Ergreift es mit wildem Weh;
Er schaut nicht die Felsenriffe,
Er schaut nur hinauf in die Höh’.
Ich glaube, die Wellen verschlingen
Am Ende Schiffer und Kahn,
Und das hat mit ihrem Singen,
Die Loreley getan.
1.
私には分らない、何がそうさせるのか
私はとても悲しい
ひとつの古くからのメルヒェン
私には来なかった故か
空気は涼しく、暗くなる
そして静かにライン川は流れる
山の頂きは輝く
夕暮れの日差しで
2.
美しい娘が座っている
その素晴らしい頂きに
彼女の宝石は金色に輝き
彼女は金色の髪を梳る
彼女は黄金の櫛で梳る
そして歌を歌う
不思議な、そして
素晴らしい旋律を
3.
小舟の船乗りは
荒々しい悲哀に襲われる
彼には崖が見えていない
彼はちょうど頂きを見上げていたので
私は想う、波が巻き込む
船乗りやボートの最後を
そしてそれは彼女の歌のため
ローレライがいたから
(MAGICTRAIN ミュージックブログより)
ロルヒ(Lorch)
この街はワイン造りと観光の町である。ローベルト=シュトルプマン博物館は、市の工芸・郷土博物館である。ここには12世紀の洗礼者ヨハネの刎ねられた頭部の木彫像や14世紀初めの幼子イエスを抱きブドウを持った荘厳な聖母像をはじめとする貴重な彫刻、文書、塑像、宗教用具が収蔵されている。この博物館は復活祭から10月末までの週末の午後、14時から17時まで開館している。同時に観光情報センターとしても機能しており、無料の情報パンフレットの他にロルヒの歴史や地元のワイナリーに関する本を販売してもいる。聖マルティン教区教会は、一部が遺されている14世紀の後期ロマネスク様式バシリカの遺構の上に建てられたゴシック様式のカトリックの教会堂。
ビンゲン・アム・ライン(Bingen am Rhein)
町の北側は東から西へ向かうライン川に接し、西側に南から下る支流ナーエ川の河口が開く。ライン川は町を過ぎた所で大きく北へ曲がり、モーゼル川流域の森やケルンに向かって下ってゆく。その手前の中洲には「ねずみの塔」(Mäuseturm)の名で親しまれる塔が建てられており、いわゆる「ロマンチック・ライン」の景観の一つになっている。なお、最初に建てられた塔は後に戦争で破壊され、現存する塔は19世紀に再建されたものである。
983年 マインツ大司教ヴィリギスは神聖ローマ皇帝オットー2世よりビンゲンを領地として授かり、クロップ城を築く。 15世紀中頃 マインツ大司教領(Erzstift Mainz)の直轄領地となる。
リューデスハイム(Rüdesheim am Rhein)
ラインフェーレ・ビンゲン=リューデスハイムは、人用フェリーや自動車用フェリーを高い密度で運航し、隣の市であるビンゲン・アム・ラインへの定常的な往来を提供している。
4月から10月末までの期間には、毎日、ライン川を旅客船が運航しており、マインツ/ヴィースバーデンとケルン/コブレンツとの間のライン渓谷中流上部の多くの街とリューデスハイムとを定期的に結んでいる。バーゼルとロッテルダムとを結ぶクルーズ船もリューデスハイムに停泊する。1 km 強の間のライン川沿いに、様々な水運会社の20本の桟橋が並んでいる。
リューデスハイム地区とアスマンスハウゼン地区では特に、ワイン造りと、ニーダーヴァルト記念碑を中心とする観光業が生活と経済状況を形成している。これらによって生じる魅力は、この地で開催される大規模イベントにも波及する。2019年本市の延べ宿泊数である約385,555泊は、ラインガウ=タウヌス郡全体におけるそれ(1,179,566泊)の約1/3にあたる]。さらに、リューデスハイムのリバークルーズ船内で宿泊するゲストがあり、近隣地域からの日帰り客も多い。レストランやホテルは、リューデスハイム旧市街の有名なドロッセルガッセ周辺に集中しているが、アスマンスハウゼン地区にもある。
(Wikipediaより)