ジョドレルバンク天文台, Flickr

イギリス 重要遺産

ジョドレルバンク天文台

2021年11月14日

文化遺産
遺産名:
ジョドレルバンク天文台
Jodrell Bank Observatory
国名:イギリス
登録年:2019年
登録基準:(i)(ii)(iv)(vi)
概要:
ジョドレルバンク天文台(Jodrell Bank Observatory) は、イギリスマンチェスター大学のジョドレルバンク天体物理学センターの天文台の1つである。チェシャー州ロウアー・ウィジントンに位置する。2019年にUNESCOの世界遺産リストに登録された。

1945年、同大学の電波天文学者であるバーナード・ラヴェルが、第二次世界大戦中のレーダー研究の後、宇宙線の調査のために設立したもの。以来、メテオロイド、クエーサー、パルサー、メーザー、重力レンズなどの研究に重要な役割を果たし、宇宙時代の幕開けには宇宙探査機の追跡にも大きく関わった。

1957年夏に、現時点で世界3位の大きさを誇る口径76mのラヴェル望遠鏡が完成し、幾度かの改良を経て現在も現役で観測に使用されている。単一口径の可動型電波望遠鏡としては、ドイツのボン郊外にあるエフェルスベルク電波望遠鏡、およびアメリカ合衆国ウェストバージニア州にあるグリーンバンク望遠鏡についで、2008年現在世界第3位の口径を有する。また、1964年には楕円形のパラボラ面を持つMKII望遠鏡も完成し、観測に用いられている。

ラヴェル望遠鏡 (Flickr)

ソ連の打ち上げたスプートニクのブースターロケットをレーダーで追跡できたのは、ラヴェル望遠鏡だけだった。打ち上げから8日後の1957年10月12日午前0時前に、初めてスプートニクを発見した。

その後も、さまざまな宇宙探査機を追跡した。1960年3月11日から6月12日にかけて、アメリカのNASAが打ち上げた探査機パイオニア5を追跡した。探査機が800万マイル離れたところで、キャリアロケットからの分離や、より強力な送信機の起動などのコマンドを送信した。1966年2月、ジョドレルバンクはソ連から無人月着陸船ルナ9号の追跡を依頼され、月面からの写真をファクシミリで送信して記録した。この写真は、ソ連が公開する前にイギリスの報道機関に送られ、公開された。

宇宙探査機の追跡はラヴェル望遠鏡の観測時間のほんの一部に過ぎず、残りの時間はレーダーを使った月や金星までの距離の測定、星形成領域や巨星の周りにある天体物理学的なメーザーの観測などの科学的観測に使われた。 パルサーの観測(ミリ秒パルサーの発見や球状星団内の最初のパルサーの発見を含む)クエーサーや重力レンズの観測(最初の重力レンズの検出や最初のアインシュタインリングの検出を含む) などの科学的な観測が行われている。 この望遠鏡はSETIの観測にも使用されている。

2011年4月、ジョドレルバンクは、計画中のスクエア・キロメートル・アレイの制御センター、すなわちSKAプロジェクト・オフィス(SPO)の所在地として指名された。 SKAは、20カ国の協力によって計画されており、完成すれば史上最強の電波望遠鏡となることが意図されている。2015年4月には、ジョドレルバンクが、望遠鏡に予想される運用期間(50年以上)の間、SKA本部の恒久的な拠点となることが発表された。

ジョドレルバンク天文台の望遠鏡群は、それまでの光学天文学から電波天文学への移行を証明している。

(Wikipediaより)

世界遺産クイズ

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関連動画へのリンク

UNESCO公式HP(英語版)へのリンク

https://whc.unesco.org/en/list/1594

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