2025年新規登録遺産

イエン・トゥー-ヴィン・ニィエム-コン・ソンおよびキエップバックの記念碑と景観の関連遺産群

基本情報

文化遺産
遺産名:イエン・トゥー-ヴィン・ニィエム-コン・ソンおよびキエップバックの記念碑と景観の関連遺産群
正式名:Yen Tu-Vinh Nghiem-Con Son, Kiep Bac Complex of Monuments and Landscapes
国名:ベトナム北部(クアンニン省、バクニン省、ハイフォン市にまたがる)
登録年:2025年
登録基準:(iii) 現存する文化的伝統や文明の顕著な証拠 (vi) 歴史的出来事や思想・信仰との直接的関連
面積:約526ha
構成資産:12の寺院・遺跡・景観地からなる連続遺産(Serial Property)

世界遺産としての普遍的価値

この遺産の最大の特徴は、単なる寺院建築群ではなく、「ベトナム独自の仏教思想と精神文化が形成された聖地」であることです。

13世紀、モンゴル軍を撃退した後に退位した皇帝 Tran Nhan Tong(陳仁宗)は、世俗を離れ、イエントゥ山で修行して竹林禅宗を創始しました。竹林禅は中国や日本から伝来した禅を基礎としながらも、ベトナム社会や儒教・道教との調和を重視した独自の宗派として発展しました。

概要

Yen Tu–Vinh Nghiem–Con Son, Kiep Bac Complex of Monuments and Landscapes は、2025年にユネスコ世界遺産に登録されたベトナム北部の文化遺産です。ベトナムにとって9件目の世界遺産であり、13~14世紀に成立したベトナム独自の禅宗「竹林禅(Trúc Lâm)」の発祥と発展を物語る遺産群として評価されました。

1. 歴史的・宗教的意義

この遺跡群の核心にあるのは、13世紀から14世紀にかけて栄えたチャン王朝と、その第3代皇帝であるチャン・ニャン・トン(陳仁宗)です。

  • チュックラム(竹林)禅宗の誕生地: 皇帝チャン・ニャン・トンは、モンゴル帝国の侵攻を退けて国を安定させた後、王位を譲って仏門に入り、ベトナム独自の仏教宗派である「チュックラム禅宗」を開きました。

  • 精神的聖地: イエントゥ山は、彼が修行を行った場所として、ベトナム仏教における最も神聖な聖地の一つとされています。この宗派は、宗教的な教えだけでなく、国家の独立と平和、国民の団結を促す役割を果たしました。

2. 構成要素の魅力

遺跡群は、山岳地帯から平野部にまで広がる広大な景観の中にあります。3つの主要な構成要素からなります。

(1) イエントゥ山 (Yen Tu Mountain): 標高1,068mの山で、数多くの寺院や僧侶の墓、かつての皇帝の修行跡が点在しています。巡礼地として非常に有名で、山頂にある「ドン寺(銅寺)」まで続く険しい巡礼の道が、深い信仰心を物語っています。

DU LỊCH YÊN TỬ - CHÙA ĐỒNG(ドン寺)

(2) ヴィンギエム寺 (Vinh Nghiem Pagoda): チュックラム禅宗の教えを広めるための中心的な役割を果たした寺院で、貴重な木版画(仏教経典)などが保管されています。

Vinh Nghiem寺

(3) コンソン、キエップバック遺跡 (Con Son – Kiep Bac): 軍事的な拠点としての側面と、宗教的・文化的な側面を併せ持っています。特にキエップバックは、英雄チャン・フン・ダオ将軍を祀る場所としても重要です。

Con Son - Kiep Bac寺院

3. なぜ世界遺産なのか

この遺跡群は、単なる建築物の集合体ではなく、「場所、宗教、政治権力の有機的な相互作用」を示すものとして評価されました。 ベトナムの人々にとって、この場所は国家のアイデンティティや精神的な強さの源泉であり、歴史を通じて受け継がれてきた伝統的価値の卓越した証拠として、世界遺産としての登録に至りました。 (Gemini)

 

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