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タージ・マハル

2021年11月20日

概要

文化遺産
遺産名:
タージ・マハル
Taj Mahal
国名:インド
登録年:1983年
登録基準:(i)
概要:
タージ・マハルは、インド北部アーグラにある、総大理石の墓廟。ムガル帝国第5代皇帝シャー・ジャハーンが、1631年に死去した愛妃ムムターズ・マハルのため建設した。インド・イスラーム文化の代表的建築である。1983年にユネスコの世界遺産(文化遺産)に登録され、2007年に新・世界七不思議に選出された。

ムムターズ・マハルは、謀反を起こした臣下ハーン・ジャハーン・ローディー討伐に付き従っていた遠征先のブルハーンプルで産褥病のため、1631年6月7日に死亡した。彼女の遺言のひとつに、後世に残る墓を所望した。彼女はブルハーンプルのザイナーバードの庭園に葬られ、毎週金曜日にはシャー・ジャハーンが訪れていた。1632年着工、1653年竣工とされる。

霊廟の計画はブルハーンプル滞在時には着手され始めたと考えられる。1632年の初めにムムターズ・マハルの遺体は都アーグラに送られ、ダールル・ヒラーファト・アクバラーバードの庭園に安置されたが、シャー・ジャハーンはデカン討伐を続けた。同年6月、シャー・ジャハーンが遠征を終えるとアーグラに戻り、ムムターズ・マハルの一回忌追悼式典が催され、霊廟建設が開始された。基礎工事を経て1636年には白い霊廟がほぼ完成。さらにこれを挟んでモスクと集会場・尖塔・大楼門が建設された。大楼門北側には「神のご加護により、1057年竣工」という文字が刻まれている。

イスラーム暦1057年は西暦1648年であり建設開始から17年を経ているが、その後に付帯設備が5年間をかけて整備され、すべての工事は1653年に完了した[。なお、シャー・ジャハーンは、タージ・マハルと対をなす形でヤムナー川を挟んだ対岸に黒大理石で出来た自身の廟を作ろうとしたとされるが、これは実現しなかった。

(Wikipediaより)

地図

主な構成資産

敷地

タージ・マハルは南北560m、東西303mの長方形の敷地にある。南端の約1/4部分は前庭があり、その北端にある大楼門を挟み広がる庭園は一辺296mの正方形であり、水路と遊歩道によって東西南北それぞれに2等分され、さらにそれぞれが4つの正方形で区分されている。その北には敷地の約1/4を占める基壇の上に、廟堂を中心に西側にモスク、東側に集会場がある。

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タージ・マハルの基本設計は、ムガル帝国の墓廟方式の伝統を踏襲している。しかし、例えばフマーユーンの廟やアクバルの廟とは異なる点もある。これらは正方形の庭園の中心に廟堂があり、四方のどの門から入っても同じ景色が目前に広がるように設計されている。それに対し長方形構造と墓廟を北の端に配したタージ・マハルはこの例に倣っていない。また、敷地内にモスクを持つ事も独特である。

前庭部と大楼門

大楼門の南には前庭や車だまりおよび従者が控える建物がある。大楼門は赤砂岩づくりで高さ約30m。イスラーム建築で多用される大きなアーチを持つイーワーンであり、両側には八角形の太い塔がある。イーワーンの上には、ファテープル・シークリーの寺院にも見られる白い鍾乳石の型体をした11個の丸屋根がある。

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庭園

大楼門をくぐった先に広がる庭園には天上の4本の川をあらわす4本の水路が四方に流れ、この水路が交わるところには天上の泉を表す池が配置されている。これはペルシャ様式のチャール・バーグ式を踏襲している。

水の供給には直径約23cmの管路から行われる。庭園植物への灌水の他、これはさらに細い管を通して水路の南北にある計24基と、中央の泉にある5基の噴水へ水の供給が行っている。通常ならば取水口から遠い噴水には水圧が低下するが、タージ・マハル庭園ではそれぞれの噴水の下に壺が埋め込まれ、ここに一度水を貯めることで各噴水の高さに差が現れないよう工夫されている。

ムガル朝の霊廟形式では、本来庭園の中心に墓廟があり、四方いずれからも同じ景色をつくる。タージ・マハルの庭園の中心には、墓廟の代わりに一辺23mの四角い白大理石づくりの基壇がある。中央の泉は一辺13mの方形であり、池と基壇の各辺の比は、墓廟とその基壇の比とほぼ一致する。

霊廟の庭園は、イスラーム教徒にとって砂漠の中の楽園を意味する。タージ・マハルも同様に列柱回廊で囲まれ、東西には門の代わりにバルコニーを備えた二階の楼台(バラダリ)がある。その中には豊かな花々や果樹が植えられ、季節によってバラ、チューリップ、ユリ、マリーゴールド、水仙などが咲き、マンゴー、オレンジ、レモン、ザクロ、リンゴ、ブドウなどが実を結んでいた。現在の庭園は糸杉の並木と芝が一面に植えられ、大樹がところどころにあるが、これは19世紀にイギリス人が作り変えたものである。

庭園, Flickr

基壇と尖塔

庭園奥には中央に高さ5.5mの基壇の上に立つ白亜の墓廟があり、四隅には4本の尖塔が建っている。向かって左(西)にモスク、右(東)に集会場がある。基壇を昇る階段は庭側から見えない場所に設置されている。ムガル帝国の霊廟では、この基壇周囲にはアーチ状の列柱とその後ろに小部屋が据えられ、一族や縁者の墓石を置く例が主だが、タージ・マハルの基壇にあるアーチは単なる浮き彫りであり小部屋も無い。これは、タージ・マハルがあくまでムムターズ・マハルだけのために建設されたことを表している。

4つの尖塔は「皇妃に仕える4人の侍女」に喩えられる。しかしその形は灯台と小さなバルコニーを備えただけの単純で、イギリスの小説家オルダス・ハックリスは「人類が手がけた中で最も醜悪な建築物のひとつ」とさえ形容した。ただしこれらは主役の墓廟を際立たせるとともに、全体で視覚的なバランスに寄与している。

尖塔, Flickr

墓廟

墓廟は横と奥行きがどちらも57mの正方形を基本に、四隅が切られた変形八角形をしている。対して高さは丸屋根上部までが58m、上に据えられた頂華の長さを加えると更に高くなる。この比率はタージ・マハルが目前から見上げられる際に威容を感じさせるためのである。しかし遠目から見るとバランスに欠ける。そのため基壇の端に塔を置き、視覚的な重心に配慮している。

墓廟, Flickr

最上部にムガル建築の様式である三日月と水差しを重ねてあしらった頂華を備え、繋ぐ部分には蓮の花弁を象った飾りパドマコサを持つ丸屋根は、建物本来の高さ約23mから持ち上げるため下に長い円筒が置かれ、その総重量は12,000トンにもなる。この重さは内部にある八角形の石積みの柱が支え、ずれや傾きを防ぐために工夫された楔で固定されている。

建物の屋上には丸屋根を囲む四隅に小さな丸屋根を持つ小楼(チャハトリ)が配される。建物の正面を含む4つの面には大きなアーチ型飾り門があり、その両隣と切られた四隅にはそれぞれ上下2段の小さなアーチ飾り窓がある。さらに八角形の建物のそれぞれの角と飾り門の両端には飾り柱があり、先端は建物の上に伸びている。飾り門や窓は意図的に深い奥行きを持たせており、太陽や月の光がつくる濃い影を作らせ、建物の微妙な表情を演出させる。

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墓廟の内部に入ると丸天井は24mしかない。これは二重殻ドームという形式で、外観上の丸屋根と内部の天井の間に空洞が置かれ、屋外から見るデザインと屋内の空間とのバランスを両立させる形式であり、この工夫は16世紀の西アジアで考え出された。内部中央の八角形のホールには、その中心に白大理石にコーランの章句や草花の連続文様が装飾された衝立が囲うムムターズ・マハルの墓石がある。そしてその横(庭から入ると向かって左)には一回り大きな墓石があるが、これは夫のシャー・ジャハーンのものである。中央ホールを取り囲む四隅には本来は親族を葬るために造られる八角形の小部屋が4つある。しかしそこへ至る通路はすべて閉じられ、事実他の誰の墓部として使われていない。

タージ・マハル墓廟には地下室がある。庭側入り口の脇には狭い階段があり、そこを下ると基壇内に造られ床は庭と同じ高さになる玄室がある。ここにはホールの真下にムムターズ・マハル本来の墓石が安置されている。ホールの墓石はあくまで象徴的な参拝用のものであった。なお、その横には同様にシャー・ジャハーンの本来の墓石がある。この地下室は閉じられていたが、現在[いつ?]は観光用に見学ができる。

観光

タージ・マハルはインド観光の目玉的存在であり、多くの観光客を魅了している。ユネスコの記録ではすでに2001年に200万人以上の観光客を記録しており、2014年には約700万〜800万人に増加した。2017年段階でも少なくとも年間700万人の観光客が訪れている。

最も観光客が訪れるのは、涼しい時期である10月、11月、2月である。排気ガスを出す交通手段は施設の近くでは禁止されているため、観光客は駐車場から歩くか電気バスに乗らなければならない。Khawasspuras(北の中庭)は現在新しいビジターセンターとしての使用のために修復されている。

営業時間は通常朝6時から19時の間であるが、金曜日は基本的に休日で、礼拝のためにモスクが昼の12時から14時の間開くだけである。夜間の入場は本来できないが、満月の夜とその前後2日間のみ夜間入場が許可される。ただし、金曜日およびラマダンの時期は夜間入場は行われていない。

(Wikipediaより)

世界遺産クイズ

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タージ・マハルは、建築上どんな特徴を持っていますか?

 

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