基本情報
文化遺産
資産名:北京の中軸線:中国首都の理想的秩序を示す建造物群
正式名:Beijing Central Axis: A Building Ensemble Exhibiting the Ideal Order of the Chinese Capital
国名:中国
登録年:2024年
登録基準:(iii)(iv)
概要
北京の中軸線は、北京市の中心を南北に貫く歴史的な都市軸であり、元朝から清朝にかけて約700年にわたり形成されました。この軸線には、紫禁城(故宮)、天安門、鐘楼や鼓楼、天壇などの皇帝の宮殿や祭祀施設、都市管理施設が配置され、中国の都市計画と皇帝支配の象徴として機能してきました。その設計は古代中国の都市計画書『考工記』に基づき、儒教の思想である「中庸」や「調和」を反映し、都市全体を左右対称に整えた理想的な都城構造を示しています。
この中軸線は元朝時代にダドゥ(大都)として始まり、その後明朝で拡張され、清朝でさらに整備されました。特に明代には紫禁城が建設され、中軸線の中心として機能しました。この都市計画は、政治的・宗教的儀式と密接に結びつき、農業暦に基づく祭りや儀式が行われる場でもありました。
中軸線はその完全性と保存状態が評価されており、多くの歴史的建造物が当時の形状や配置を維持しています。ただし、一部の建物は再建や修復が行われています13。現在、この遺産は国家および地方政府による保護を受け、2022-2035年の保存管理計画に基づき保全活動が進められています。
北京中軸線は、中国の都市計画伝統を体現し、その影響は東アジア全域にも及びました。この軸線は中国文化と歴史の象徴であり、2024年にはユネスコ世界遺産にも登録されました。