文化遺産
資産名:プー・プラバート:ドヴァーラヴァティー時代のシーマ石の伝統の証拠
正式名:Phu Phrabat, a testimony to the Sīma stone tradition of the Dvaravati period
国名:タイ
登録年:2024年
登録基準:(iii)(v)
概要
プー・プラ・バート歴史公園は、タイ東北部ウドーンターニー県に位置し、ドヴァーラヴァティー時代(7~11世紀)のシーマ石伝統を世界で最もよく保存する場所として知られています。この公園の特徴は、仏教の聖域を示す境界石「シーマ石」が多く残されている点であり、これらは当時の宗教的活動の中心地として使用されました。
この地域は、氷河運動や浸食によって形成された奇岩群や岩絵が存在し、先史時代の人々が約2000年前に描いたとされる人間や動物、幾何学模様が確認されています。7世紀に仏教が伝来すると、多数のシーマ石が設置され、公園全体が仏教の宗教的中心地へと変貌しました。このシーマ石伝統は現在まで続いていますが、多くの石は移動または再利用されています。それでも、公園内にはドヴァーラヴァティー時代当時の状態で保存されたシーマ石が世界最大規模で残されています。
また、この遺跡は仏教経典に基づいた設置パターンや芸術的スタイルを示し、その進化過程を明確に伝えています。さらに、森林修道院の伝統とも関連する土地利用例としても注目されており、文化的・歴史的価値が高い場所です2。
現在、公園は国および地方政府による法的保護を受けており、文化省美術局を中心とした管理機構によって運営されています。地域社会との協力体制も整備され、観光管理やリスク対策計画も実施されています。ただし、観光による影響を軽減するため、訪問者数の収容能力を明確にする必要があります。
2024年にはユネスコ世界遺産に登録され、この地域の文化的意義が国際的にも認められました。