2024年新規登録遺産

テ・ヘヌア・エナタ:マルケサス諸島

2025年2月25日

基本情報

複合遺産

資産名:テ・ヘヌア・エナタ:マルケサス諸島

正式名:Te Henua Enata – The Marquesas Islands

国名:フランス

登録年:2024年

登録基準:(iii)(vi)(vii)(ix)(x)

概要

テ・ヘヌア・エナタ(マルケサス諸島)は、南太平洋のフランス領ポリネシアに位置する12の火山島からなる群島で、先住民の言葉で「人間の土地」を意味する。タヒチ島から北東約1,500kmに位置し、世界でも最も孤立した島々の一つとされていいる。2024年7月26日、インドのニューデリーで開催された第46回世界遺産委員会において、ユネスコの世界複合遺産に登録された。

この諸島は、約2,000年前にアジアから移住してきたポリネシア人によって最初に定住された。彼らは優れた航海術を駆使し、マルケサス諸島を拠点にハワイ、イースター島、ニュージーランドなどへと移住していった。島内には、神を表現した石造りの彫像「ティキ」や岩に刻まれた絵「ペトログリフ」など、多くの考古学的遺跡が存在し、独自の文化が発展してきたことを示している。

自然環境も豊かで、切り立つ岩山、滝、雄大な入り江など、手つかずの自然が広がっている。地理的な孤立性から、多くの固有種が生息し、特に一部の島や山地にのみ見られる種も存在する。

19世紀末には、フランスの画家ポール・ゴーギャンがヒバオア島で晩年を過ごしたことでも知られている。また、1970年代以降、伝統文化の復興が進み、現在では木彫り、ダンス、音楽などの文化伝統が日常生活に息づいている。

テ・ヘヌア・エナタは、独自の文化遺産と豊かな自然遺産が評価され、世界複合遺産として登録された。この登録は、島々の類まれな文化と自然の価値を世界に知らしめ、持続可能な観光地としての地位を強化するものとなっている。

世界遺産クイズ

晩年、テ・ヘヌア・エナタに住んだ画家の名前は何ですか?

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