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2024年新規登録遺産

ラヴノのヴィエトレニツァ洞窟

2025年2月25日

基本情報

自然遺産

資産名:ラヴノのヴィエトレニツァ洞窟

正式名:Vjetrenica Cave, Ravno

国名:ボスニア・ヘルツェゴビナ

登録年:2024年

登録基準:(x)

概要

要約

ヴィエトレニツァ洞窟(Vjetrenica Cave) は、ボスニア・ヘルツェゴビナで2番目に長い洞窟 であり、全長7,323.9mに及ぶ複雑な洞窟システムを形成している。主な通路である上部ヴィエトレニツァ(約2,500m)を中心に、多くの支洞が存在し、その中でも下部ヴィエトレニツァ、アブソロン通路、ラドヴァノヴィッチ通路、レオパード通路 などが重要とされている。

この洞窟は、ディナル・カルスト地帯の南部 に位置し、ポポヴォ平原の西端からアドリア海にかけて伸びるカルスト丘陵地 に広がっている。入口は標高260mのポポヴォ平原の東端 にあり、クロアチアのドゥブロヴニクからも近い。さらに、洞窟システムには、入口下部にあるルカヴァツ湧水や、小規模なビェルシツァ洞窟 も含まれる。

自然の特徴と生態系

ヴィエトレニツァ洞窟には、恒常的な水流や消失する流れ、複数の湖 があり、最大の湖は180m に達する。また、無数の鍾乳石やフローストーン、ドレープリー、滝のような石灰岩形成物 も見られる。この洞窟は、世界でも最も生物多様性が豊かな洞窟の一つ であり、公式に世界第2位 と評価されている。これまでに231種以上の洞窟生物 が確認されており、そのうち85種は洞窟固有種(トログロビオンタ)、65種以上は狭域固有種 である。

化石と歴史的価値

洞窟内では、8種の化石 が発見されており、特に洞窟クマ(Ursus spelaeus)ヒョウ(Panthera pardus)の完全な骨格 が見つかっている。さらに、洞窟入口の岩には、中世の墓石に見られる特徴的な石刻画 も残されている。

科学研究と観光開発

ヴィエトレニツァ洞窟は、16世紀以来、多くの科学的研究の対象 となってきた。最初の記録は、ローマ時代の大プリニウスが紀元77年に著した『博物誌(Historia Naturalis)』 にまで遡る。その後、ゲタルディッチ などの学者による記録が続き、19世紀末(1889年以降)から本格的な学術調査 が開始された。

観光地としての整備も早く、1940年以前にはすでに観光向けに開放 されていた。1964年には1,800mの通路が整備され、1,050mにわたって照明設備が導入 され、さらに近隣にモーテルも建設された。しかし、1991年から1996年の戦争 で大きな被害を受けた。

世界遺産クイズ

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