2024年新規登録遺産

レンソイス・マラニャンセス国立公園

2025年2月25日

基本情報

自然遺産

資産名:レンソイス・マラニャンセス国立公園

正式名:Lençóis Maranhenses National Park

国名:ブラジル

登録年:2024年

登録基準:(vii)(viii)

概要

要約

レンソイス・マラニェンセス国立公園 は、ブラジル北東部のマラニョン州東部に位置し、面積は約15万6,562ヘクタール に及ぶ。この地域は、広大な砂丘地帯と雨季に形成される一時的な湖 が特徴的で、見た目は砂漠のようだが、半湿潤気候 に属している。約9万ヘクタールの砂丘地帯 は、海岸線80kmに沿って広がる吹き溜まり平原 を起源とし、風の影響で形成されたバルハン砂丘(新月砂丘) が最大75kmにわたり連なっている。

この地域は、セラード、カーティンガ、アマゾン の3つのブラジルの生物群系が交わる地点にあり、多様な生態系が存在する。レストリンガ植生、マングローブ、淡水・海洋環境 が生物の多様性を支え、砂丘と湖の形成に大きく関与している。

自然の価値と特徴

  • 壮大な砂丘と雨水湖の景観(Criterion vii)
    • バルハン砂丘 は、50cmから1mの小規模なもの から、内陸へ移動するにつれて最大30m に達するものまで多様で、風によって年間4~25mの速度で移動 する。
    • 乾季には湖が消え、雨季になると再び形成されるため、毎年異なる形や色の湖が出現し、風景が絶えず変化 する。
    • 湖の底には藻類やシアノバクテリア が繁殖し、湖の水の色に変化を与え、景観の美しさを一層引き立てる。
  • 地形形成の進化を示す重要な証拠(Criterion viii)
    • 南アメリカ最大の固定・移動砂丘地帯 であり、第四紀の地質変動によって形成された海岸砂丘の発達過程を示す最良の例の一つ とされる。
    • 砂丘の連続性と移動のプロセスが詳細に観察でき、雨水のみで形成される湖とともに、海岸地形の進化を研究するための貴重なフィールド となっている。
    • 砂丘は風によって形成されるが、湖の存在は地下水位の上昇と密接に関連しており、砂丘と地下水の相互作用を理解する上で重要な事例 である。

世界遺産クイズ

レンソイス・マラニェンセス国立公園の海岸線に風の影響で形成された地形は何と呼ばれていますか?

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