基本情報
文化遺産
資産名:現代人的行動の出現:南アフリカにおける更新世の居住地群
正式名:The Emergence of Modern Human Behaviour: The Pleistocene Occupation Sites of South Africa
国名:南アフリカ共和国
登録年:2024年
登録基準:(iii)(iv)(v)
概要
南アフリカのディープクルーフ・ロック・シェルター、ピナクル・ポイント遺跡群、シブドゥ洞窟の考古学的遺産
南アフリカのディープクルーフ・ロック・シェルター、ピナクル・ポイント遺跡群、シブドゥ洞窟は、西ケープ州とクワズル・ナタール州に点在する重要な考古学遺跡であり、現生人類の行動の発展を示す最も保存状態の良い記録が残されている。これらの遺跡は約16万2000年前から3万8000年前にかけての人類の進化を証明しており、シンボル的思考や高度な技術の証拠が確認されている。例えば、オーカー(顔料)の加工、骨やオーカーへの刻印、貝殻やダチョウの卵殻の装飾、石器の熱処理、ミクロリス(小型石器) などが見つかっており、人類の認知能力や文化の発展を理解する上で極めて重要な証拠を提供している。
文化的重要性
- 基準 (iii): これらの遺跡の堆積層には、中期旧石器時代における象徴的思考や技術革新の証拠が豊富に残されている。保存状態が極めて良好であるため、現代人の行動の発展を理解する上で貴重な資料となっている。
- 基準 (iv): 約12万4000年間にわたる人類の生活の痕跡が層状に堆積しており、抽象的思考や計画性、戦略的思考、さらには接着剤の使用や石器の熱処理技術などの技術革新が確認されている。
- 基準 (v): これらの遺跡は、中期および後期更新世における海岸資源の利用を示す最も重要な証拠の一つである。気候変動による海面上昇で多くの古代の沿岸遺跡が失われつつある中、これらの遺跡の保存状態は極めて良好であり、古代の気候や環境変動の研究にも重要な役割を果たしている。