文化遺産
遺産名:
砂漠の城クセイル・アムラ
Quseir Amra
国名:ヨルダン
登録年:1985年
登録基準:(i)(iii)(iv)
概要:
ヨルダンにある浴場施設を中心としたウマイヤ朝時代の城館遺跡である。8世紀頃のウマイヤ朝の王が、離宮として建設したといわれている。表向きは征服した地の警戒のために建てられたと言われているが、実際には、厳格なイスラム教徒の目をそらし、王族達が快楽を享受するための離宮だったと考えられている。

フレスコ画 , Flickr
館内には、天体図や砂漠の動物、裸婦などのフレスコ技法で描かれた壁画が残っている。とくに「謁見室」に描かれたフレスコ画には4人の支配者と思しき人物が描かれており、ギリシア語とアラビア語による銘文により、左右の一方にビザンツ皇帝(カエサル)、西ゴート王国末期の王ロドリーゴ、もう一方にはサーサーン朝皇帝ホスロー、エチオピア王ネグスと確認できる。

フレスコ画, Flickr
現存するイスラーム帝国以降の浴場(ハマム)施設としては最古の部類に入る。ドームやヴォールト部分をふくめ建物全体がほぼ完全に原形を保っており、また後期ヘレニズム様式の影響が残るフレスコ画は美術史の上でも貴重な資料でもある。
(Wikipediaより)