文化遺産
遺産名:
ビーソトゥーン
Bisotun
国名:イラン
登録年:2006年
登録基準:(ii)(iii)
概要:
ダレイオス1世の碑文は地上100m以上の高い場所にあり、高さ3m・幅 5.5m の浮き彫りの周辺に、同じ内容の長文のテキストが、エラム語、古代ペルシア語、アッカド語(新バビロニア語)という3つの異なった言語で書かれている。当初はエラム語の碑文のみであったが、壁画像を追加する段階でアッカド語と古代ペルシア語の碑文も増補されたと見られている。
エラム語は2箇所にほぼ同じ内容のものが書かれ、第1のものは323行、第2のものは260行からなる。アッカド語は112行からなる。古代ペルシア語は合計414行からなる。ベヒストゥン碑文は古代ペルシア語の現存する最古の碑文である。また、浮き彫りの余白部分にも数多くの小碑文が掘られており、その大部分は浮き彫りで描かれた人物の説明である。
碑文と同じ内容が記されたものがエジプトのエレファンティネ島出土のパピルス文書群から発見されている。このエレファンティネ島の文書から発見されたベヒストゥン碑文の写しは、アッカド語版を底本にアラム語に翻訳されたものであり、断簡ではあるが重要な資料である。またバビロニアからアッカド語版の断簡が発見されている。
ベヒストゥン碑文の文章は、アケメネス朝の王ダレイオス1世(在位:紀元前522年-紀元前486年)がその出自、支配する領域、アウラマズダー神から委ねられた王位、反乱の鎮圧について同語反復的な表現で自ら語るというスタイルを取る。碑文はまず冒頭でアケメネス以来の家系を記し、ダレイオス1世が正統な王家の血統に連なる事を示す。
(Wikipediaより)