自然遺産
遺産名:
パーヌルル国立公園
Purnululu National Park
国名:オーストラリア
登録年:2003年
登録基準:(vii)(viii)
概要:
パーヌルル国立公園(Purnululu National Park)は西オーストラリア州の北部、キンバリー地区にある。 アボリジニの言葉で砂岩を意味するバングル・バングル/バンドゥ・バンドゥ(Bungle Bungle)と呼ばれる奇岩がありユネスコの世界遺産(自然遺産)に登録されている。
2003年にユネスコ世界遺産に登録された際には、次のように記述されている。
「...原生地域として管理されている遠隔地である。バングル・バングル山脈は、蜂の巣状のカルスト砂岩が250メートルの高さまでそびえ立つ、彫刻のような岩の壮大な景観を形成している。独特の堆積プロセスと風化により、これらのタワーは黒とオレンジの帯状の外観を呈している。これは、シアノバクテリア(単細胞光合成生物)の生物学的プロセスによって形成されたもので、古代の砂岩層を安定させ、保護する役割を果たしている。2,000万年の歳月をかけて浸食されたコーン・カルストは、非常に美しく、地質学的にも非常に興味深いものである。」
パーヌルルの名称はキジャ(Kija)と呼ばれるアボリジニの民族集団の言葉でバングル・バングルの砂岩地帯に与えられた言葉である。バングル・バングルは砂岩を意味するか、あるいは英語のbundle(束)の訛であると予想される。公園内の高度は高いところで海抜578mにも及ぶ。また砂岩によるドーム状の地形があり、このドームが褐色の縞模様をなしていることで有名である。この縞模様は、ドームに水を吸収し微生物の繁殖が比較的行われやすい粘土層と、その鉄分の含有の多さと多孔性によって乾きが早く微生物の繁殖しにくい砂岩層があり、層によって微生物の含まれる量が違うことによって生まれるものである。
この他に類を見ないドーム状の岩石は先にも書いたように砂岩と、大小の岩石がセメント状になったもの(コングロマリット)で出来ている。この地形の形成は活断層がこのあたりの地形を変えていた時に、オード川の形成した水たまりに堆積物がつもり、その後雨がこの堆積物が形成した岩石を削り生成されたと見られる。
バングル・バングル山脈は、砂岩でできた塔状のカルスト地形としては、世界で最も広範囲かつ印象的なもののひとつである。バングル・バングルは、デボン紀の砂岩の台地で、シアノバクテリアの地殻(単細胞の光合成生物)が濃い灰色の帯状に規則正しく交互に並んだ蜂の巣状のタワーの塊に刻まれている。この台地は、深さ100~200メートルの切り立った峡谷やスロット峡谷で分断されている。円錐形の塔は急斜面で、底部の傾斜が急になくなり、山頂はドーム状になっている。どのようにして形成されたかは、まだ完全には解明されていない。表面はもろいが、酸化鉄やバクテリアのクラストで安定している。砂岩の溶解風化と、風雨や斜面でのシートウォッシュによる砂粒の除去によって形成された地形の優れた例となっている。
(Wikipediaより)