文化遺産
資産名:
ニームのメゾン・カレ
The Maison Carrée of Nîmes
国名:フランス
登録年:2023年
登録基準:(iv)
概要:
紀元1世紀、ローマ帝国の植民地ネマウス(現在のフランス・ニーム)で建立されたメゾン・カレは、ローマの地方における皇帝崇拝に関連するローマ神殿の初期の例である。夭折したアウグストゥスの後継者である「青年の王子たち」に捧げられたこの神殿は、ローマが征服した領土に対する支配力を高めると同時に、ネマウソ市の住民がアウグストゥスの王統に忠誠を誓ったことを象徴的に示している。建築と精巧な装飾は、古代ローマを共和制から帝国へと移行させ、新たな黄金時代を開いたアウグストゥスのイデオロギー的プログラムを象徴的に伝えている。(世界遺産センターHPより)
メゾン・カレは、紀元前16年ごろ建設され、続く数年でローマのパンテオンの最初の施主でもあったマルクス・ウィプサニウス・アグリッパの手により再建された。そして紀元2年から5年ごろ、アグリッパの2人の息子ガイウス・カエサルとルキウス・カエサルを祭るようになった。2人はアウグストゥスの後継者だったが、そのころ相次いで早世している。ガイウスとルキウスに捧げられた碑文は中世期に除去された。しかし1758年、地元の学者 Jean-François Séguier は、ポルチコのファサードにあった穴の数と位置から碑文の再現に成功した。
この神殿は4世紀にキリスト教の教会に転用され、ローマが国教をキリスト教と定めた後に異教の神殿などが破壊された際にも破壊を免れた。その後、会議場などに使われ、フランス革命期には政府所有の馬のための馬小屋となり、さらに市の公文書保管庫とされた。1823年以降は美術館となった。そのフランス語の名称は古語 carré long に由来し、「長方形」を意味しており、この建物の外形を指している。(Wikipediaより)