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イラン 重要遺産

イスファハーンのマスジェデ・ジャーメ(金曜モスク)

2021年11月21日

文化遺産
遺産名:
イスファハーンのマスジェデ・ジャーメ(金曜モスク)
Masjed-e Jāmé of Isfahan
国名:イラン
登録年:2012年
登録基準:(ii)
概要:
イスファハーンのマスジェデ・ジャーメ・モスクは、イランのエスファハーンにある会衆のモスク。金曜モスクともいう。771年に建築されたエスファハーンでもっとも古いモスクであり、絶え間無く建築活動が行われた結果、建物のどの部分がどの時代に建てられたのかすら特定が困難な複雑な歴史を持つ。イランにおけるモスク建築史を体現している建築物とも言え、イスラム建築研究者の石井昭は「建築様式の博物館である」と評している。イタリア中東研究所(IsMEO)が1970年代に発表した研究報告書を元に独自調査を行ったイスラーム美術史・文化史研究者のオレグ・グレーバー Oleg Graber は、エスファハーンのジャーメ・モスクは少なくともブワイフ朝時代、セルジューク朝時代、イルハン朝時代、ティムール朝時代、サファヴィー朝時代、アフシャール朝時代以降の6つの時期に区分し、分類できるとしている。ユネスコの世界遺産に登録されている。

マスジェデ・ジャーメ・モスク ,Flickr

南のドームは1086年から1087年にかけてセルジューク朝第3代スルタンのマリク・シャーとその宰相ニザーム・アル=ムルクによって建てられたもので、高さ20メートル、直径10メートルという大きさは当時のイスラム世界では最大の規模を誇るドームであった。同時にイランにおける初の本格的なドームを備えたモスクとなり、建築史上においても大きな意味を持った。

独立部分としてはマドラサ、礼拝室(オルジェイトゥの礼拝所など)、シャベスターン、サファヴィー朝時代のドームなどがあり、半独立部分としては南北ドーム、4つのイーワーンなどがある。聖龕(ミヒラーブ)はサファヴィー朝時代、ムザッファル朝時代、イルハン朝時代のものなどが各所に計13箇所設けられている。 正方形の部屋に円形のドームを架構する方法とし、複雑なデザインの三つ葉型の「トロンプ」によって正八角形を創り、その上の16このアーチ形の小壁を経て、円形のドームの下端に移行させている。4イーワーンは、同時に建設されたのではなく、南、東、西、北の順に作られ、左右の屋根よりも高くそびえた巨大な矩形の縁取りのあるファサードを持ち、しかも彩釉タイルによって装飾されている。

登録基準(ii): マスジェド・エ・ジャーメは、サーサーン朝の宮殿の4つのイワン(チャハル・アイヴァン)の中庭のレイアウトをイスラムの宗教建築に応用した最初のイスラム建築であり、それによってモスク設計における新しいレイアウトと美学の原型となる建築物である。ネザーム・アル・モルクのドームは、イスラム帝国初の二重殻リブドーム構造で、新しい工学技術を導入し、後のモスクや埋葬施設のドーム建築をより精巧にすることを可能にした。これら2つの要素から、マスジェド・エ・ジャメはモスクの設計、レイアウト、ドーム建築の原型として認められ、後のイスラム世界のいくつかの時代や地域で参照された。

(Wikipediaより)

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