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中国 重要遺産

京杭大運河

2021年11月22日

文化遺産
遺産名:
京杭大運河
The Grand Canal
国名:中国
登録年:2014年
登録基準:(i)(iii)(iv)(vi)
概要:
京杭大運河(けいこうだいうんが)は、中国の北京から杭州までを結ぶ、総延長2500キロメートルに及ぶ大運河である。途中で、黄河と長江を横断している。現在の中国の8つの省を通過している。北は首都北京から、南は浙江省まで続いている。

戦国時代より部分的には開削されてきたが、隋の文帝と煬帝がこれを整備した。完成は610年。運河建設は人民に負担を強いて隋末の反乱の原因となったが、運河によって経済の中心地江南と政治の中心地華北、さらに元のクビライ・ハーンによって軍事上の要地である涿郡だった大都(後の北京)が結合して、中国統一の基盤が整備された。この運河は、その後の歴代王朝でもおおいに活用され、現在も中国の大動脈として利用されている。2014年の第38回世界遺産委員会でシルクロードなどとともに世界遺産リストに登録された。

大運河が開通したことによって、経済面で優越していた南が政治・文化の中心地である北と連結され、中国全体の流通が増大した。その社会的な影響は計り知れない。大運河の建設に多大な労働力を動員して民衆を苦しめたことを、隋朝打倒の大義名分の一つとして建国した、唐王朝こそが大運河からの最大の受益者となった。近隣地域の生産力のみでは支えきれなくなった首都長安・洛陽の食糧事情を安定させることができたのも、大運河による物資の運送能力によるところが大きかったのである。

登録基準(i) 大運河は、その起源が非常に古く、規模も大きいため、また、絶え間なく発展し、時代の状況に適応してきたため、人類史上最高の水力工学の傑作といえる。それは人間の知恵と決意と勇気の具体的な証明である。古代中国に直接由来する広大な農業帝国において、水文学の技術力と熟練を示し、人間の創造性を示す傑出した例である。

登録基準(iii)。大運河は、草運システムによる運河管理のユニークな文化的伝統、その起源、繁栄、各王朝とその歴代の首都への適応、そして20世紀における消滅を証言している。その内容は、穀物、塩、鉄の輸送・貯蔵の帝国独占と税制であった。農民経済と朝廷、そして国民と軍隊への食糧供給を根本的に結びつけることに貢献した。それは、時代を超えて中華帝国の安定の要因であった。大運河沿いの経済と都市の発展は、偉大な農業文明の中核が機能していたこと、そして水路網の発達がこの点で決定的な役割を果たしたことを物語っている。

登録基準(iv)。大運河は世界で最も長く、最も古い運河である。水力工学の驚くべき初期の発展の証しである。産業革命以前から続く重要な技術的業績である。困難な自然条件への対応という点では、多様で複雑な状況に完全に適応した多くの建設物に反映されているように、ベンチマークとなるものである。東洋文明の技術力を如実に示している。大運河は、水力技術の重要で革新的な、特に初期の例を含んでいます。また、堤防、堰、橋の建設における特別なノウハウ、石材や土壁のような素材の独創的で洗練された使い方、(粘土と藁などの)混合素材の使用も実証しています。

登録基準(vi)。大運河は7世紀以来、中国の歴代王朝を経て現代に至るまで、経済と政治を統合する強力な要因であり、大きな文化交流の場であった。運河は、運河沿いの人々の生活様式や文化を生み出し、維持し、その影響は長い歴史の中で、中国の領土と人口の大部分に及んでいるのです。大運河は古代中国の哲学的概念である「大同団結」を示すものであり、時代を超えて中国の偉大な農業帝国の統一、補完、統合に不可欠な要素であったのである。

(Wikipedia、世界遺産センターHPより)

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