複合遺産
遺産名:
武夷山
Mount Wuyi
国名:中国
登録年:1999年
登録基準:(iii)(vi)(vii)(x)
概要:
武夷山は中国・福建省にある黄崗山(2158メートル)を中心とする山系の総称。山水の名勝として有名で、黄山、桂林と並び中国人が人生一度は訪れたいとされる場所の一つとされる。1999年以降ユネスコの世界遺産(複合遺産)に登録。年間350万人の観光客が訪れている。
黄崗山を中心にした武夷山風景区が世界遺産に登録されている。風景区内は砂礫岩でできた比較的低い丘陵や山が広がるが、赤く切り立った崖や柱のような峰が多く、その間をめぐる渓谷ともども「武夷仙境」「奇秀甲東南」と称えられてきた。地理的には、平均350メートルの高度を持ち亜熱帯気候に属するため、冬でも比較的温暖である。年間2000ミリメートルもの降雨が山を削り、雲を生み、美しい九曲渓を作り出している。400mを超える岩に880段に達する石段が刻まれている天遊峰が特に有名。
450種以上の脊椎動物、5000種以上の昆虫、2500種以上の植物が現在までに確認されている。野生のチャノキが自生している土地であり、ここで採れる茶葉から作る烏龍茶は香りと味が良いと評判で、特に岩に張り付くように育つ茶葉は「武夷岩茶」と呼ばれ、最高級品の扱いである。また、独特のフレーバーをもつ紅茶ラプサン・スーチョンの産地でもある。
景観として特に美しいとされるのが「九曲渓」で、川岸には36の岩山が立ち並ぶ。ここを竹の筏で、およそ9キロメートルほどを川下りながら、観光ができるようになっている。周囲の岩山の中でも特に有名なものが「玉女峰」で、外に見える岩肌が美しいので、美女にたとえられこの名前が付いた。その対岸には大王峰(530メートル)があり、玉女峰と恋愛関係にあるとされるが、その間に鉄板鬼と呼ばれる青黒い岩があり、これが邪魔をして二つの山が出会えないようにしているという古典文学的な伝説がある。また、朱子学の開祖、朱熹が講学を行ったとされる紫陽書院なども残っている。
(Wikipediaより)