文化遺産
資産名:
オデーサの歴史地区
The Historic Centre of Odesa
登録年:2023年
登録基準:(ii)(iv)
国名:ウクライナ
概要:
オデーサの歴史地区は、ウクライナの黒海沿岸に位置する港湾都市の一部である。ドニエストル川河口の北約 30 キロの海岸の浅いくぼみに位置している。オデーサは、1787 年から 1792 年の露土戦争の終結に続いて、温水港を建設するという女帝エカチェリーナ 2 世の戦略的決定によって 1794 年に設立された。トルコの要塞の跡地に建設されたこの新しい都市は、当初軍事技術者によって計画され、その後 19 世紀にさらに拡張された。
オデーサの特徴は、港の成功、知事の政策、そして 1819 年から 1859 年までの自由港湾都市としての地位に負っている。オデーサが生み出した富、そしてその多文化主義はすべて、その建築的表現と都市景観に残されたさまざまなスタイルに影響を与えた。それはまた、1821 年に始まる一連の暴力的な事件の引き金となった緊張を引き起こした。
オデーサの歴史地区は、2 つの長方形のブロックに分割された広々とした並木道のグリッド システムであり、その方向は、海に垂直にオデーサの高原を横切る 2 つの深い峡谷の方向に一致していた。この都市は比較的低層の建物が特徴となっている。著名な建築家やエンジニアによって設計され、その多くは初期のイタリアから来ており、劇場、宗教施設、学校、個人の宮殿、クラブ、ホテル、銀行、ショッピング センター、倉庫、証券取引所、ターミナル、その他の公共および行政の建物が含まれている。建築様式の折衷的な多様性と貿易都市のすべての主要な活動の両方を表している。
このように、オデーサは、多くの文化、価値観、慣習、社会構造、宗派を反映した都市計画と建築遺産を通じて、東ヨーロッパの都市の多文化的、多民族的伝統の証として際立っていると見なすことができる。(世界遺産センターHPより)
危機遺産の登録:
ユネスコの第18回世界遺産委員会臨時会合は2023年1月25日、ウクライナ南部にある「オデーサの歴史地区」など 3件の世界遺産への登録を決定した。これらは、緊急的登録推薦(価値を喪失する危機に直面した物件を緊急的に推薦)により登録されたもので、存続が危ぶまれることから同時に「危機遺産」に登録された。「オデーサの歴史地区」については、21か国で構成される世界遺産委員会での採択の結果は賛成6、反対1、棄権14だった。