文化遺産
遺産名:
リスボンのジェロニモス修道院とベレンの塔
Monastery of the Hieronymites and Tower of Belém in Lisbon
国名:ポルトガル
登録年:1983年
登録基準:(iii)(vi)
概要:
ポルトガルの首都リスボンのベレン地区にあるジェロニモス修道院とベレンの塔を対象としている。それらは、16世紀ポルトガルで栄えたマヌエル様式の代表的傑作に数えられているだけでなく、かつての大航海時代とポルトガル海上帝国の栄華の記憶をとどめる文化遺産であることが評価され、最初のポルトガルの世界遺産の一つとなった。「ポルトガルが誇るマヌエル様式建築の最高傑作」と評されることもあるジェロニモス修道院の中でも、特に繊細な彫刻に飾られた回廊や、彫像で飾られた南門柱廊を備えた修道院付属のサンタ・マリア聖堂などの評価が高い。ベレンの塔は、ヴァスコ・ダ・ガマの業績をたたえる目的をこめた灯台だが、テージョ川河口を見張る要塞としての機能も備えていた。当時のリスボンでは、英国やオランダの海賊に対する備えが必要だったのである。(Wikipediaより)
Photo by Hans Nerstu, Cycling Man, paula soler-moya, Bert Kaufmann, Thomas Schirmann,Tony Shertila, Terry Kearney from Flickr
主な構成資産
ジェロニモス修道院
聖ヒエロニムスにあやかったヒエロニムス会の修道院で、現在につながる本格的な建設はディオゴ・ボイタクが指揮をした1502年以降のことである。ボイタクに建設を命じたのはポルトガル王マヌエル1世で、その目的にはエンリケ航海王子の業績を称揚する意図などが込められていた。ボイタクが指揮を執ったのは1516年までで、それを引き継いだのはジョアン・デ・カスティーリョである。カスティーリョは1551年に没したが、その年にジェロニモス修道院の建築は主要部分の完成を見た。その後も増築などが行われ、19世紀にようやく現存する形に落ち着いた。
「ポルトガルが誇るマヌエル様式建築の最高傑作」と評されることもあるジェロニモス修道院の中でも、特に繊細な彫刻に飾られた回廊や、彫像で飾られた南門柱廊を備えた修道院付属のサンタ・マリア聖堂などの評価が高い。
ベレンの塔
正式名は「サン・ヴィセンテの塔」、建造は1515年から1521年にかけてのことで、指揮したのはフランシスコ・デ・アルダであった。ジェロニモス修道院と同じく、建設を命じたのはマヌエル1世である。ヴァスコ・ダ・ガマの業績をたたえる目的をこめた灯台だが、テージョ川河口を見張る要塞としての機能も備えていた。当時のリスボンでは、英国やオランダの海賊に対する備えが必要だったのである。
1755年にリスボンを襲った大地震では多くの建物が被災したが、ジェロニモス修道院とベレンの塔があるベレン地区は難を逃れ、さして損壊を被らなかった。航海に関する事物をモチーフとした装飾があしらわれたマヌエル様式建築の傑作のひとつで、作家司馬遼太郎はその優雅さを「テージョ川の貴婦人」と評した。
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