ユネスコの設立
国際連合教育科学文化機関(United Nations Educational, Scientific and Cultural Organization, UNESCO ユネスコ)は、国際連合の経済社会理事会の下におかれた、教育、科学、文化の発展と推進を目的とした専門機関である。1945年11月に44カ国の代表が集い、イギリス・ロンドンで開催された国連会議において11月16日に採択された「国際連合教育科学文化機関憲章」(ユネスコ憲章)に基づいて1946年11月4日に設立された。分担金(2016年現在)の最大の拠出国はアメリカ合衆国(22%)、2位は日本(9%)であるが、米国は拠出金支払いを全額停止しているため、実質的に最大の拠出国は日本である。
ユネスコの目的
「教育や文化の振興を通じて、戦争の悲劇を繰り返さない」との理念により設立の意義を定めたユネスコ憲章の前文には「戦争は人の心の中で生まれるものであるから、人の心の中に平和の砦を築かなければならない」との文言がある。
「戦争は人の心の中に生まれるものだから、人の心の中にこそ、平和のとりでを築かなければならない。相互の風習と生活を知らないことは、人類の歴史を通じて世界中の人々の間に疑惑と不信を引き起こした共通の原因であり、この疑惑と不信のために、世界中の人々の差異があまりにも多くの戦争を引き起こした。」
活動にあたっては、重点的に推進する目標として「万人のための基礎教育」「文化の多様性の保護および文明間対話の促進」などを定める。それに基づき、例えば前者に関しては識字率の向上や義務教育の普及のための活動、後者については世界遺産の登録と保護、文化多様性条約の採択のほか、歴史的記録遺産を保全するユネスコ記憶遺産(世界の記憶)事業などを実施する。そのほか、極度の貧困の半減、普遍的初等教育の達成、初等・中等教育における男女差別の解消、持続可能な開発のための教育、危機に瀕する言語の保護などを内容とするミレニアム開発目標など、国際開発目標達成を目指す。
模擬試験問題
世界遺産検定の模擬試験問題