文化遺産
遺産名:
ヘーゼビューとダーネヴィルケの国境の考古学的遺跡群
Archaeological Border complex of Hedeby and the Danevirke
国名:ドイツ
登録年:2018年
登録基準:(iii)(iv)
概要:
ヴァイキング時代におけるユラン半島とそれ以外のヨーロッパを分けていた境界域の遺跡群であり、当時の様子を伝える交易地ヘーゼビューおよび周辺の土塁群の遺跡が対象となっている。これは国境を越える世界遺産候補の一部であり、2014年にドイツ、デンマーク、アイスランド、ラトビア、ノルウェーにより「北ヨーロッパのヴァイキング時代の遺跡群」として共同推薦されたが、2015年の第39回世界遺産委員会では「登録延期」と決議された。この資産がドイツ単独の候補として暫定リストに掲載されたのは、上記「登録延期」決議から半年ほど後の2016年1月28日のことで、2017年1月12日にユネスコ世界遺産センターへと正式推薦された。
ヘーゼビューはスカンディナヴィアの商業拠点としてはビルカなどと並んで最古級のものであり、規模と重要性の点でも一番だったとも言われる。ヴァイキング時代を通じて、ビルカ、リーベ、ヘーゼビューを超える機能の「都市」は現れなかった。
ダーネヴィルケは「デンマーク人の堡塁」の意味で、「デイン防塁」、「デンマーク土塁」などと表記する文献もある。ドイツ語名Danewerkに「デンマーク砦」という訳語を当てている辞書もある。
その最初の建設は737年前後のことで、ザクセン、ユラン半島と勢力を伸ばしつつあったフランク王国に対抗するものであった。それはスカンディナヴィア南端の国境線であるとともに、「民族領域境界」も意味した。建設者は『フランク王国年代記』では9世紀初頭のデンマーク王ゴズフレズとされていたが、考古学的には737年前後に遡るものと見なされるようになっており、ゴズフレズはダーネヴィアケを補強した者と位置づけられている。それを踏まえて、最初の建造者を8世紀の王アンガンチュールと結びつける説もある。
(Wikipepdiaより)