文化遺産
遺産名:
ボルガルの歴史的考古学的遺産群
Bolgar Historical and Archaeological Complex
国名:ロシア
登録年:2014年
登録基準:(ii)(vi)
概要:
ボルガル遺跡は、ヴォルガ川とカマ川の合流点付近でかつて栄えたヴォルガ・ブルガール王国の首都ブルガールの遺跡である。ヴォルガ・ブルガールは中世にイスラームを国教とした国家の中で最北にあたり、ボルガル遺跡は今も地域のムスリムの巡礼地となっている。
ロシア連邦タタールスタン共和国に残るその遺跡は、近隣の小さな町ボルガルとともに、1991年以降タタール語の発音に準じてその名前で呼ばれている。ボルガル遺跡はUNESCOの世界遺産リストへの登録を巡り、世界遺産委員会と諮問機関の判断がそれぞれ二転三転する紆余曲折を経たものの、2014年に「ボルガルの歴史的考古学的遺産群」の名称で正式登録を果たした。
2000年の第24回世界遺産委員会では、大ミナレットの復元方法を巡って議論となり、「登録延期」と決議され、翌年の世界遺産委員会での再審議でも「登録延期」と決議された。
ロシアは2012年1月30日に再推薦を行なったが、このときにはICOMOSが「不登録」を勧告した。かつての「登録」勧告から「不登録」勧告への正反対の変更理由としてICOMOSが挙げたのは、大ミナレットにとどまらず、前回審議時点以降の10年ほどに行われたボルガル遺跡での明確な根拠に基づかない「修復」や観光地化のための開発の数々によって、世界遺産としての完全性と真正性が失われたということだった。2014年の第38回世界遺産委員会では、前年の審議を踏まえて基準 (6) のみの適用による登録がなされるべきと提案する委員国(レバノン、ドイツ、ポーランド、コロンビア)が出るなど若干議論になったものの、登録そのものに反対する意見は出ず、最終的には基準 (2) と (6) での登録で決着した。
(Wikipediaより)