文化遺産
遺産名:
ヴルコリニェツの伝統的集落
Vlkolínec
国名:スロバキア
登録年:1993年
登録基準:(iv)(v)
概要:
ヴルコリニェツは、スロバキア共和国ジリナ県ルジョムベロク郡ルジョムベロク市内の街区の一つで、低タトラ山脈の中腹にある村落である。
中世以来の伝統的な工法の木造建物群が現存していることから、1993年にユネスコの世界遺産に登録された。地元の人々が実際に暮らす村落で世界遺産に登録された例には、そのほかに「ホッローケーの古い村落とその周辺」(ハンガリー)、「白川郷・五箇山の合掌造り集落」(日本)などがあるが、ヴルコリニェツはそれらよりも小さな村のため、町並みなどが対象となる「建造物群」に分類される文化遺産の中では、最小クラスの物件である。
集落の起源は10〜12世紀といわれ、地名の「ヴルク」がスロバキア語のオオカミを意味するように、かつてオオカミ狩りの猟師たちが住む村であった。平屋建ての木造家屋は、石を積み上げた土台に丸太を組み、薄い木の板で屋根を葺いたもの。木造の鐘楼や聖堂も同じ工法で建てられた。現在、18〜19世紀に建てられた45戸の家屋が残され、実際に地元の人びとが暮らし、スロバキアの伝統的な山村の姿を保っている。 (『世界遺産大事典』より)
ホッローケーから120キロメートルという近さのため、2つの村落はしばしば類似の景観として理解されるが、ヴルコリニェツには独自の文化的伝統に対する強い誇りが存在する。とはいえ、わずか45軒の住居が並ぶ小さな村落では、定住人口は減少傾向にある。都会の住民が別荘などとして住居を買い取る事例も現れているが、外観は保持することが条件となっていることから、景観は守られている。しかし、ヴルコリニェツで伝統的に培われてきた村落共同体文化の維持・継承は困難になってきている。(Wikipediaより)