文化遺産
遺産名:
ストゥデニツァ修道院
Studenica Monastery
国名:セルビア
登録年:1986年
登録基準:(i)(ii)(iv)(vi)
概要:
ストゥデニツァ修道院は、セルビア中央部、クラリェヴォ(Kraljevo)の南西39 km に位置するセルビア正教会の修道院で、セルビア正教会の修道院としては最大級のものである。
この修道院は中世セルビア王国の建国者であるステファン・ネマニャが1190年に設立したものである。ストゥデニツァ修道院は、その後もネマニャ朝の歴代の王たちからの厚遇を享受した。修道院は城壁で囲まれ、生神女聖堂と「王の聖堂」という、ともに白い大理石でできた二つの付属聖堂を擁している。
ストゥデニツァの芸術的な到達点は生神女聖堂のナルテクス(拝廊)とエクソナルテクスとの内側にある4つのポルタイユ、とくに西側のそれに結実している。生神女聖堂には見事なフレスコ画が残っているが、その作成は13世紀最初の10年間のことだった。当初のフレスコ画は部分的にならば聖餐台の辺り、ドーム下、西壁、身廊のthe lower registersに今でも残っている。最高傑作とされるのは1209年に青い背景に描かれた「ハリストスの磔刑」で、セルビア美術の一つの極点ともいえる。
この修道院は何よりも13世紀から14世紀にかけてのビザンティン美術の精華と見なしうる美しいフレスコ画群の存在で知られており、1986年にユネスコの世界遺産リストに登録された。