文化遺産
遺産名:
サラマンカの旧市街
Old City of Salamanca
国名:スペイン
登録年:1988年
登録基準:(i)(ii)(iv)
概要:
サラマンカの町の始まりは古代ローマのころ属州ヒスパニアにトラヤヌス帝によって建設された植民都市であるとされる。ローマ帝国が滅亡し、イベリア半島がイスラム帝国の支配下に入ると、この地はイスラム化し、トレドやグラナダと同様、イスラム文明を享受することになった。
古代ギリシアローマ学問やそれを発展させたイスラム学問がこの地にも集積され、中世ヨーロッパ世界にそれらを紹介する場となった。レコンキスタが進み、この地がキリスト教圏になるとアルフォンソ9世によってサラマンカ大学が設立され、サラマンカは「知識を欲するものはサラマンカへ行け」と言われるほどになった。サラマンカ大学は、ボローニャ、パリ、オクスフォードとともに世界四大大学に列せられている。大航海時代には、天文学の知識などが大いサラマンカ大学で研究される一方、反宗教改革や異端審問の舞台にもなった。
貝の家は、スペイン・サラマンカ大学にあり、ゴシック様式にルネサンス装飾を施し、プラトレスコク様式を備えた古い邸宅である。内部には直線と曲線の混合アーチのあるパティオ、階段、格天井がある。世界遺産「サラマンカの旧市街」の構成遺産になっている。
サラマンカの市街はイスラム様式からヨーロッパのゴシック様式やサン・エステバン修道院のバロック様式などヨーロッパの建築文化が集積されることになった。また、酸化鉄を含んだ石材からなる建造物の町並みはサラマンカを比類なき美しい町であると賞賛されるにいたった。18世紀完成のサラマンカのマヨール広場は、スペインのバロック様式広場の中ではもっとも壮麗とされる。チュリゲラ様式はサラマンカのサン・エステバン修道院付属聖堂の主祭壇で最初に試みられた。
1988年に「サラマンカの旧市街」はユネスコの世界遺産(文化遺産)に登録された。サラマンカ大学はヨーロッパ最古の大学の一つであり、旧市街に12世紀完成の旧大聖堂やサン・マルコ聖堂、サリナ宮殿などロマネスク、ゴシック様式の建築物が残っていることが評価された。
(Wikipediaより)