花の谷 ,Flickr

インド 検定1級

ナンダ・デヴィ国立公園と花の谷国立公園

2021年11月23日

自然遺産
遺産名:
ナンダ・デヴィ国立公園と花の谷国立公園
Nanda Devi and Valley of Flowers National Parks
国名:インド
登録年:1988年
登録基準:(vii)(x)
概要:
ナンダ・デヴィ国立公園と花の谷国立公園は、インド北部、ウッタラーカンド州の2つの国立公園を対象とするUNESCOの世界遺産リスト登録物件である。まず1988年にインド第2の高峰ナンダ・デヴィを含むナンダ・デヴィ国立公園が、その自然美と生物多様性を評価されて単独で登録され、2005年にその価値を強化するものとして花の谷国立公園へと範囲が拡張された。また、この2つの国立公園を核心地域(コア・エリア)とする生物圏保護区が、ナンダ・デヴィ生物圏保護区である。

ナンダ・デヴィ国立公園は、インド第2の高峰ナンダ・デヴィ(標高 7,817 m)を擁する国立公園である。その前身はナンダ・デヴィ猟鳥獣保護地域 (Nanda Devi Game Sanctuary) で、1939年1月7日に設定されたこの自然保護区はヒマラヤ山脈の保護区の中では最古とされる。1980年に国立公園となることが決まり、当初は「サンジャイ・ガーンディー国立公園」となる予定だったが、1982年11月6日に現在の名称で正式に発足した。

ナンダ・デヴィはサンスクリット語で「祝福された女神」の意味で、ヒンドゥー教の聖なる山として崇拝の対象ともなってきた。21世紀現在でもガルワールとクマーウーンを含むウッタラーカンド州全域の寺院では、毎年儀式にのっとって定められた日付にナンダ・デヴィ祭(ナンダー・デーヴィー・ジャート)が行われる。祭りは女神ナンダーの里帰りを表現する儀式に始まり、夫(シヴァ)の待つ家に戻る儀式で最高潮に達する。

ナンダ・デヴィ, Flickr

ナンダ・デヴィ国立公園の標高は2,000 m 前後から 7,817 m に至る。針葉樹林帯などのほか、氷河や雪原の見られるその地形には、ジャコウジカ、ヒマラヤタール、ハヌマンラングールなどが棲息し、少なくとも14種の哺乳類、578種の鳥類が確認されている。棲息する哺乳類のうち、ユキヒョウは絶滅危惧種、ツキノワグマは危急種である。標高の高い地域から順に段階的に入山が制限されてきたが、1983年以降は、学術研究以外での国立公園内への立ち入りは出来なくなっている。

花の谷国立公園は1982年9月6日に設立された国立公園である。国立公園は標高3,350 mから6,708 mの地形で形成されており、「花の谷」は1931年に発見された渓谷につけられた通称である。この名前は、発見者の登山家であるフランク・スマイスが著書で用いたことで、広く知られるようになった。この国立公園は21%が草原、6%が森林となっているが、残りは万年雪と氷に覆われている。雪解け水が供給される標高3,500m付近の渓谷には多くの花が咲いており、その種類は600種といわれる。棲息しているのはユキヒョウ、ヒマラヤタール、スマトラカモシカ(危急種)、ヒグマ、キエリテン、アオヒツジなどである。

花の谷, Flickr

(Wikipediaより)

関連動画へのリンク

ナンダデヴィ国立公園と花の谷国立公園(ユネスコ/ NHK)

世界遺産クイズ

ナンダ・デヴィ国立公園と花の谷国立公園の説明として、正しいものはどれか

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