ボゴリア湖のフラミンゴ, Flickr

ケニア

大地溝帯にあるケニアの湖沼群

2021年11月25日

自然遺産
遺産名:
大地溝帯にあるケニアの湖沼群
Kenya Lake System in the Great Rift Valley
国名:ケニア
登録年:2011年
登録基準:(vii)(ix)(x)
概要:
大地溝帯にあるケニアの湖沼群は、ケニアのリフトバレー州にあるエルメンテイタ湖、ナクル湖、ボゴリア湖を対象とするUNESCOの世界遺産リスト登録資産である。大地溝帯にあり、地下でつながる3つの湖とその周辺は、地形や植生が織りなす傑出した自然美と、コフラミンゴなど13種の絶滅危惧種や準絶滅危惧を含む多くの鳥類の生息地となっていることなどが評価されている。

エルメンティタ湖は、400種以上の鳥類がナクル湖/エルメンテイタ湖盆地で記録されている。エルメンテイタにはオオフラミンゴとコフラミンゴが訪れ、それぞれ湖の甲殻類および昆虫の幼虫と藍藻類を食べる。1962年にマガディ湖からティラピアが導入され、それ以来フラミンゴの個体数はかなり減少している。ティラピアは多くの魚食性鳥類を引き寄せ、それらはフラミンゴの卵と雛をも食べる。以前エルメンテイタで繁殖していた100万羽以上の鳥類が今ではタンザニアのナトロン湖へと避難していると言われている。

エルメンティタ湖のフラミンゴ , Flickr

ボゴリア湖は、リフト・ヴァレーの中で南の、ナクル湖、エルメンテイタ湖、マガディ湖、および北のロギピ湖と同様に、コフラミンゴの世界最大の個体群の棲息地である。湖はラムサール条約登録地であり1973年11月29日から国立保護区である。ボゴリア湖は浅く (深さ約10 m)、長さ約34 kmと幅3.5 kmであり、700 km2の集水域を持つ。

ボゴリア湖のフラミンゴ, Flickr

ナクル湖には、湖岸には多くの藻が生え多くのフラミンゴが飛来していたが、2000年代以降異常な水位上昇が水質の中性化をもたらし藻の生育を阻害。飛来するフラミンゴは多くても数百羽という単位にまで激減している。ただ、フラミンゴ大群の常駐を理由に湖畔で営巣できなかった多くの鳥類が生息するようになり、以前には見られなかった種類の野鳥が増加、別の意味での野鳥の楽園となっている。また、イボイノシシ・ヒヒ・クロサイ・シロサイ・ロスチャイルドキリン・ヒョウ・ライオンなどの大型哺乳類も生息している。

ナクル湖畔のサイ, Flickr

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