自然遺産
遺産名:
セレンゲティ国立公園
Serengeti National Park
国名:タンザニア
登録年:1981年
登録基準:(vii)(x)
概要:
セレンゲティ国立公園は、タンザニア連合共和国北部のマラ州・アルーシャ州・シニャンガ州にまたがる、自然保護を目的とした国立公園。アフリカで一番良く知られた国立公園の1つ。1981年にユネスコの世界遺産(自然遺産)に登録された。セレンゲティとはマサイ語で「果てしなく広がる平原」の意。15,000,000ヘクタール(37,000,000エーカー)以上の原生のサバンナを有している。
ヴィクトリア湖の東に広がる大サバンナ地帯にある。そのうちの多くが広々とした草原で疎林や低木林がみられる。川や沼、湖もある。平原の所々に岩石が露出している。面積は14,763km2で、四国(18,297.78km2)や関東平野(約17,000km2)の8割程度に及ぶ。国立公園内には、様々な動物が約300万頭生息していると推定されている。セレンゲティは、150万頭の青いヌーと25万頭のシマウマによる世界最大の年間動物移動と、アフリカ最大のライオンの生息地として知られている。しかし、森林伐採、人口増加、牧場経営などにより、その存在が危ぶまれている。
セレンゲティを代表する動物は、ヌーである。生息している動物の約3割がヌーであるといわれている。ヌーは、雨季と乾季で草原を求めて、隣接しているケニア側のマサイマラ国立保護区へと1,500kmの移動を繰り返す。雨季となる12月から6月の間は、地平線をヌーが埋め尽くし、壮観である。
「セレンゲティ」という名前は、マサイ族がこの地域に対して使っていた「siringet」という言葉の近似形であり、「土地が永遠に続く場所」という意味である。
セレンゲティの豊かな生態系を世に知らしめ、その保護に尽くしたのがドイツ人獣医ベルンハルト・グジメック(Bernhard Grzimek)とその息子ミヒャエルである。著書『セレンゲティは滅びず』(Serengeti Shall Not Die)、記録映画『死ぬな、セレンゲティ』などで、野生生物をとりまく危機的な状況を世界に訴えた。野生動物保護区の範囲を広げ、セレンゲティに充実した研究所が設置されるきっかけをつくったのも彼らである。
(Wikipediaより)