スイス 検定2級 重要遺産

ラ・ショー・ド・フォン / ル・ロクル、時計製造都市の都市計画

2021年5月22日

文化遺産
遺産名:
ラ・ショー・ド・フォン / ル・ロクル、時計製造都市の都市計画
La Chaux-de-Fonds / Le Locle, Watchmaking Town Planning
国名:スイス
登録年:2009年
登録基準:(iv)
概要:
スイスの西部に隣接するラ・ショー・ド・フォンル・ロクルは、時計製造という単一工業に特化し、伝統的な時計製造業と結びついた都市計画が立てられて発展してきた。居住空間と時計工房は同じ建物の中で接近して設計された。時計工房は最上階に置かれ、大きな窓のおかげで室内は明るかった。職住近接型の都市計画は、19世紀半ばにはカール・マルクスの『資本論』において、分業を分析する際の一事例として取り上げられ、「工場都市」(ville-manufacture)と評された。

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La,Chaux-de-fonds,,Switzerland,,World,Heritage,Site,By,Unesco
Sep,26,,2013,Neuchatel,,Switzerland,-,Old,Vintage,Antique,Clocks
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Photo by Manu, jaeschol, kreep, Nguyễn Ngọc Tuấn from Flickr

歴史

ラ・ショー=ド=フォン

ラ・ショー=ド=フォンのコミューンの成立は1656年のことである。1780年以降、その経済は、時計製造業、レース製造業、金属細工などのおかげで発達したが、1794年の火災で、町の建造物群は焼失した。のちに中心市街となる区画の再建には、啓蒙時代の申し子といえる都市計画が採用された。これは彫刻親方モワズ・ペレ=ジャンティ によって主導されたもので、公益と私益の間で合意された成果であった。

1834年にシャルル=アンリ・ジュノ (Charles-Henri Junod) による新しい都市計画が採用された。それを実地で適用するに当たっては、火災の延焼を防ぐために安全性や衛生面が考慮されたことはもちろん、園芸や除雪のためのスペースを空けることや、全ての人に良い日当たりを保障することも考慮された。そして再建が実行され、都市の碁盤目状の区画に従い、谷の北の斜面が1835年から1841年にかけて発達した

20世紀初頭のラ・ショー=ド=フォンは、アール・ヌーヴォーの中心地でもあり、ル・コルビュジエ生誕の地でもある。そこでは、今でも彼の初期の作品を見ることができる。現在のラ・ショー=ド=フォンには国際時計博物館がある。この博物館は半分地下に作られた巨大な博物館で、古今東西の3000点を超える時計が集められている。この博物館は同時に「人と時」研究所でもあり、時間と人間のかかわりについての多角的な研究も行われている。

ル・ロックル

ル・ロックルはラ・ショー=ド=フォンに比べると小さな町だが、ヌーシャテル地方の時計製造業の半ば伝説化された起源にとって重要な町である。

1679年にロンドンからこの地に初めて持ち込まれた懐中時計が壊れたとき、手先の器用なダニエル・ジャンリシャール が修理を担当した。ジャンリシャールはその縁で仕組みを分析し、独力で時計製造を行うまでに漕ぎ着けた。その彼が腰を落ち着け、後継者を育成したのがル・ロックルであった。その後、同地出身のアブラアン=ルイ・ペルレが1770年頃に自動巻きの懐中時計を開発した。

現在のル・ロックルの町並みは、ラ・ショー=ド=フォンと同じくペレ=ジャンティとジュノによって19世紀に形成されたものである。きっかけになったのが2度の大火(1833年、1844年)であったという点も、ラ・ショー=ド=フォンに似ている。

また、ル・ロックルにはル・ロックル時計博物館がある。この博物館はモン城の中に設営されたもので、振り子時計や自動巻時計のコレクションが充実している。近隣のラ・ショー=ド=フォンの国際時計博物館とは、コレクションの内容の面で相互補完的という評価もある。

関連動画へのリンク

La Chaux-de-Fonds / Le Locle、Watchmaking Town Planning(UNESCO / NHK)

世界遺産クイズ

世界遺産検定クイズ

「ラ・ショー・ド・フォン 、ル・ロクル」の説明として、正しくないものはどれか。

UNESCO公式HP(英語版)へのリンク

https://whc.unesco.org/en/list/1302

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