文化遺産、文化的景観
資産名:
キナリグ人の文化的景観と移牧の道「カッチ・ヨ ル」
Cultural Landscape of Khinalig People and “Köç Yolu” Transhumance Route
国名:アゼルバイジャン
登録年:2023年
登録基準:(iii)(v)
概要:
この文化的景観は、アゼルバイジャン北部の高地にあるキナリグ村、大コーカサス山脈の高地にある夏の牧草地と農業用段々畑、アゼルバイジャン中部の低地にある冬の牧草地、そして「移動ルート」と呼ばれる全長200kmの季節的な移動ルートで構成されている。キナリグ村には半遊牧民であるキナリグ人が住んでおり、彼らの文化や生活様式は、夏と冬の牧草地を行き来する季節的な移動によって定義され、長距離縦断牧畜の古代の方法を保持している。古くからのルート、一時的な牧草地やキャンプ地、霊廟、モスクを含む有機的に進化したネットワークは、極限の環境条件に適応した持続可能な生態社会システムを示している。(世界遺産センターHPより)
キナリグ人は、アゼルバイジャンのギルガル山地に住む古代の民族で、彼らの文化的景観は山岳地帯の厳しい自然環境に深く影響を受けている。彼らはヒナリク語を話すことで知られ、独自の言語、習慣、祭り、音楽、舞踊、料理など、多くの伝統文化を有している。彼らの文化は、山間部での厳しい生活に適応した知恵や、共同体の重要性を反映している。
「カッチ・ヨル」は、キナリグ人が伝統的に行ってきた移牧の道であり、大変重要な役割を果たしている。この道は、季節ごとに異なる牧草地への移動を可能にし、家畜を効果的に管理するための重要なルートである。この移牧の道は、牛、羊、馬などの家畜を新鮮な草地へ案内する役割を果たしており、キナリグ人の生活や文化にとって欠かせない要素となっている。
このように、キナリグ人の文化的景観は厳しい山岳地帯の生活に根ざしており、移牧の道「カッチ・ヨル」は彼らの伝統的な生活様式や持続可能な経済活動に重要な役割を果たしている。