概要
複合遺産
遺産名:
黄山
Mount Huangshan
国名:中国
登録年:1990年
登録基準:(ii)(vii)(x)
概要:
黄山(こうざん)は、中国・安徽省にある景勝地。伝説の仙境(仙人が住む世界)を彷彿とさせる独特の景観から、古代から「黄山を見ずして、山を見たというなかれ」と言われ、数多くの文人が訪れた。黄山の名は伝説上の王、黄帝がこの山で不老不死の霊薬を飲み、仙人になったという言い伝えに基づいている。秦の時代には黟山(いざん)と称されていたが、唐の時代には現在の黄山の名前に改められた。峰と雲が織り成す風景は、まさに仙人が住む世界「仙境」と言われている。多くの文人が憧れ、水墨画、漢詩などの題材となった。(Wikipediaより)
地図
スライドショー
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黄山の自然
黄山に立ち並ぶ山々は古生代にできたもので、氷河や風雨による岩石の浸食が1億年にわたって繰り返され、現在のような断崖絶壁の景観ができあがった。海から流れ込む湿った空気が海抜1000m以上の峰々に漂い、大量の霧や雲を発生させている。三主峰と呼ばれる蓮花峰、光明頂、天都峰があり、その他69の峰がある。そして、荒涼とした風景を彩る「黄山松」は、岩の割れ目に根を張り、強い生命力を持つとして、尊ばれている。
芸術への影響
「天下の名勝、黄山に集まる」と言われ、古代から中国の人々が黄山の美しさを「天下第一」と称えている。幾多のスポットには、その独特の発想で名前が付けられた。この名声に憧れて多数の文人が訪れ、水墨画、漢詩(李白)などの題材となった。東山魁夷は、黄山を「充実した無の世界。あらゆる山水画の技法が、そこから生まれたことが分かる」と評している。
送温處士歸黄山白鵝峰舊居
(李白の詩)
黄山四千仞,三十二蓮峰。
丹崔夾石柱,菡萏金芙蓉。
伊昔升絕頂,俯窺天目松。
仙人煉玉處,羽化留遺蹤。
亦聞温伯雪,獨往今相逢。
采秀辭五岳,攀岩歴萬重。
歸休白鵝嶺,渇飲丹砂井。
風吹我時來,雲車爾當整。
去去陵陽東,行行芳桂叢。
回溪十六渡,碧嶂盡睛空。
他日還相訪,乘橋躡彩虹。
黄山の高さは、四千仞もの高さを誇り、
黄山は、三十二の蓮華の峰が連なる。
黄山では見事な石峰には石柱が立ち、
黄山は全体として、黄金色の蓮華の形容をしている。
遙か昔に、黄山の山上に登り、
天目松の林を見たことがある。
黄山は仙人たちの修行の地であり、
昇天した仙人たちの遺跡を残す。
亦、温伯雪子が独居して居るのに、
今でもここでは遭うことが出来ると聞く。
温處士は、何でも揃った五岳の山々を離れて、
秘境、黄山の岩山を登り、黄山山中で修行する。
黄山へ帰って来れば、白鵝嶺に住み、
喉が渇けば、丹砂の井で潤す。
風が吹くと、我が時が来たとばかりに、
雲がまるで車のように、黄山に当然整列しなくてはならない。
遠く、陽東の黄山に登り、
更に行くと、隠逸の棲む桂樹林が見えて来る。
溪を廻って、十六も渡ると、
碧い嶂の上は、睛空が広がっている。
別の日に、再び相訪れると、
黄山には橋が架かって、貴方は彩虹を躡ぐに違いない。
(「古代文化研究所」HPより引用)
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