スイス 世界遺産100選 検定3級 重要遺産

スイス・アルプス

2021年3月17日

自然遺産
資産名:
スイス・アルプス ユングフラウーアレッチュ
Swiss Alps Jungfrau-Aletsch
国名:スイス
登録年:2001年 / 2007年範囲拡大
登録基準:(vii) (viii) (ix)
概要:
ユングフラウーアレッチュのエリアは、アルプス有数の氷河地帯であり、ラウターブルンネンなどのU字谷アレッチュの岩峰堆石など典型的な氷河の特徴を備えています。アイガー北壁ユングフラウなどの景観を対象として、すぐれた文学や美術も生まれています。2007年、登録範囲が拡大され、ヴェッターホルンブリュームアルプなど、ベルナーアルプスの山々を含むことになり、総面積は824㎢となっています。

shutterstock_1467524654
shutterstock_85243432
shutterstock_462676570
shutterstock_1188331126
shutterstock_1418941328
shutterstock_227231899
shutterstock_253625530
shutterstock_449464801
shutterstock_429908377
shutterstock_1217947831
shutterstock_407447992
shutterstock_422399344
shutterstock_421241341
shutterstock_256544548
shutterstock_668750197
shutterstock_1141565039
shutterstock_256544635
shutterstock_438395158
shutterstock_1414820828
shutterstock_523591102
shutterstock_622011890
5905117442_5b911ef650_k
shutterstock_436693903
shutterstock_1217949097
shutterstock_1461902699
shutterstock_1217949097
shutterstock_1259276167
shutterstock_256544611
shutterstock_256544497
shutterstock_659009287
shutterstock_490622023
26051350274_5fa59ac430_k
14379924562_f273a24327_k
5904574851_a5b05985b6_k
4493891732_b1ce30f389_o
6574753447_b3244916b8_k1
shutterstock_642040126
shutterstock_667407400
previous arrow
next arrow
Shadow

(Flickr, Shutterstockより)

自然遺産の登録基準

登録基準 vii: 「自然の景観美」

このエリアのアルプスを代表する印象的な風景は、ヨーロッパの芸術、文学、登山、山岳観光において重要な役割を果たしてきた。アルピニズム(登山・山岳観光)の中心地で、訪れるべき最も壮観な山岳地帯の1つとして、世界的に認識されている。アイガー、メンヒ、ユングフラウ三名山を中心とするアルプスの名峰群と西ヨーロッパで最長となる氷河、谷は、壮麗で雄大な自然の景観美を誇っている

登録基準 viii: 「地球の歴史」

このエリアは、2,000〜4,000万年前に始まった隆起と圧縮に起因するアルプス山脈の歴史を伝えている。標高809mから4,274mの範囲内で、この地域には、アフリカのプレートが北に漂流したことで、4億年前の結晶質の岩がより新しい炭酸岩の上に押し出されている。造山の過程のドラマチックな記憶に加えて、氷河の後退で形成されるU字型の谷、圏谷(カール)、ピーク、谷に流れる氷河とモレーンなどの地質学的特徴の豊富さと多様性がみられる。アルプス山脈内で最も氷河に覆われた部分で、西ヨーロッパで最大・最長のアレッチ氷河が含まれている。そして、アレッチ氷河にみることができる氷河の歴史と後退の経過は、とくに気候変動に関連して、科学的に非常に興味深い。

登録基準 ix : 「固有の生態系」

このエリアは、標高差が大きく、南部の乾性気候と北部の湿性気候の影響を受け、高山地帯から亜高山地帯の広い範囲での動植物の生息地になっている。結晶質岩と炭酸塩岩の2つの主要な基質上で、さまざまな生態系が人間の大きな介入なしに進化してきた。アレッチヴァルト(アレッチの森)には、特徴的な上・下2段の樹木の植物相や植物の進化・継承がみられる素晴らしい例がある。また世界的な気候変動現象をうけ、氷河の後退や植物相の変化に関して観察が続けられている。

(スイス政府観光局ホームページより)

構成地域

ラウターブルンネン

ラウターブルンネン(Lauterbrunnen)はスイスのベルン州に属する基礎自治体 。一時、ドイツの文学者ゲーテはこの村のシュタウプバッハの滝(落差300m)の近くに住んで作品を執筆していた。地名は、「音の鳴り響く泉」の意で、この滝から由来したものである。氷河に削られてできたU字谷の底に位置する。村の付近で72の滝を眺めることができる。インターラーケンからユングフラウヨッホへと向かう際の中継地点となる。

ラウターブルンネン (Flickr)

ラウターブルンネンは、人気アニメ『アルプスの少女ハイジ』のモデルとなったことでも知られています。原作の舞台はマイエンフェルトですが、原作にないもののアルプスを描きたいとアニメの制作スタッフである宮崎駿氏、高畑勲氏、小田部羊一氏らは、この地を訪れて作品中で印象的に描き出しています(スイス政府観光局のWebサイトより)。ラウターブルンネンのU字谷が、アニメのオープニングで印象的に描かれています。

ラウターブルンネンのハイキング・ルート

ミューレン

Murren (Flickr)

ミューレン(ドイツ語: Mürren)は、スイスのベルナー・オーバーラントにある伝統的なウァルザーの山村であり、海抜1,650 m (5,413 ft.)。公道は通じていない。年間通じて観光客が訪れ、村の周囲に聳えるアイガー、メンヒ、ユングフラウの3つの山の視界が有名である。村の人口は450人で、2,000人分の宿泊施設がある。

ラウターブルンネン・シュテッヘルベルク=ミューレン=シルトホルン(LSMS)として知られる4つの連続したケーブルカーは、ミューレンから坂を下りギンメルヴァルト、シュテッヘルベルク、坂を上ってシルトホルンの頂上と回転レストランのピッツ・グロリアを結ぶ。これは、1969年にリリースされたジェームズ・ボンド『女王陛下の007』の主要なロケ地となった。この中でボンド(ジョージ・レーゼンビー)は、エルンスト・スタヴロ・ブロフェルド(テリー・サバラス)の本拠地からうまく逃れ、彼のガールフレンド・トレーシー(ダイアナ・リグ)の運転する車に乗ったブロフェルドの部下からも逃げ切った。ミューレンとシュテッヘルベルクを直接結ぶケーブルカーもあるが、これは貨物輸送専用である。ミューレンはまた、ラウターブルンネン=ミューレン山岳鉄道によってラウターブルンネンとも結ばれる。これは、狭軌鉄道と接続するロープウェイによって構成されている。アルメントハベルバーン・ケーブルカーの下の駅でもある。(Wikipedia)

ミューレン周辺のハイキング・ルート

アレッチュ氷河

スイス・ヴァレー州にあるアルプス山脈最大の氷河。ユーラシア大陸の西半分で見ても最大である。北はユングフラウに、南はマッサ川の峡谷群を経由してローヌ川に、東はメルジェレン湖 (Märjelensee) に、西はアレッチホルンにそれぞれ囲まれている。

北西部には、ユングフラウの東の山腹とメンヒの南の山腹から発しているユングフラウフィルン (Jungfraufirn) があるが、これは7kmしかなく、主要な万年雪の中では最も短いものである。それはコンコルディアプラッツに流れ出ると、氷河渓谷の主軸に直接連なる。

ユングフラウフィルン (Flickr)

中央部では、氷河は南東から東のグロス・ヴァンネンホルン(Gross Wannenhorn, 標高3906m)や西のドライエクホルン(Dreieckhorn, 標高3811m)の麓へと向かう。一度東にあるメルジェレン湖の高さに達し、氷河は南へ、そしてエギスホルン (Eggishorn) に行く手を阻まれて南西へと方向を変える。その一方で、メルジェレン湖の西では、アレッチホルン(Aletschhorn, 標高4193m)が、別の氷河を育んでいる。

アレッチュ氷河の中央部 (Flickr)

 

モレーン

モレーン(moraine、堆石、氷堆石)とは、氷河が谷を削りながら時間をかけて流れる時、削り取られた岩石・岩屑や土砂などが土手のように堆積した地形のこと。アレッチ氷河の特徴的なモレーンは2つのグループに分かれており、大体氷河の中程にある。それらはコンコルディアプラッツから下流部の氷河の細長い先端まで、流れに沿っている。西にあるグループはクランツベルクモレーン (Kranzbergmoräne) と呼ばれ、東のものはトルクベルクモレーン (Trugbergmoräne) と呼ばれる。

堆積したモレーンと細長く伸びた氷河 (Flickr)

アレッチ氷河周辺のハイキング・ルート

アイガー

ベルナーアルプスの一峰でスイスを代表する山。標高は3,970m。アイガーから発し、アイガー西壁の麓、メンヒとの間にはアイガーグレッチャーの氷河が流れる。ユングフラウ、メンヒと並び、いわゆるオーバーラント三山の1つとされる。アイガー北壁は高さ1,800mの岩壁で、グランド・ジョラスの北壁、マッターホルン北壁とともに、困難な三大ルートの1つとして知られ、アルプスの三大北壁と呼ばれている。アイガーの北壁は、1934年から1958年までに25回の登頂が試され、13回67名が登頂に成功したが、15名の死者が出ている。1938年7月24日アンデルル・ヘックマイヤー、ルードヴィッヒ・フェルク(ドイツ隊)、ハインリッヒ・ハラー、フリッツ・カスパレク(オーストリア隊)がアイガー北壁初登攀。両隊は登頂開始時は別々のパーティだったが、後から登頂に挑んだドイツ隊がオーストリア隊に追いついた時点で同一パーティを組み、初完登に成功した。

アイガーを主題とした文学作品、映画作品は多数出版されている。

  • アイガー・サンクション(トレヴェニアンの小説でクリント・イーストウッド監督・主演で映画化)
  • 運命を分けたザイル2(2007年のイギリス映画) - ドキュメンタリー映画であるが、前項のヒンターシュトイサーらの遭難の顛末がドラマで再現されている。
  • アイガー北壁(2008年のドイツ映画) - ヒンターシュトイサーたちの悲劇を描いた。(日本国内では、同作品が2010年に全国上映されている)
  • 小説『北壁の死闘』(ボブ・ラングレー)
  • 小説『北壁』(石原慎太郎)
  • 小説『アイガー北壁』(新田次郎)

映画『アイガー北壁』予告編

映画『アイガー・サンクション』予告編

アイガー (Flickr)

アイガー周辺のハイキング・ルート

ヴェンゲン

ヴェンゲン(Wengen)は、スイスのベルナーオーバーラントにある山間の村である。海抜1,274 m の標高にあるベルン州に位置し、ユングフラウ地域の一部であり、年間約 1,300 人の住民がおり、夏には 5,000 人、冬には 10,000 人に膨れ上がる。

通常、ヴェンゲン/ミューレンへの自動車道はない。ヨーロッパで数少ない自動車乗り入れ禁止のリゾート ビレッジの1 つであるが、サービス車両、地元の農業用車両、鉄道駅への往復のタクシー用の電気自動車がいくつかある。これにより、村全体が静かな雰囲気に保たれ、交通騒音が軽減されている。生態学的な理由から、他のリゾートは自動車のない例に従うことを検討している。ラウターブルンネン渓谷の向こうにあるミューレンも、ほとんど自動車が通行禁止である。

ヴェンゲンはラック鉄道システムWengernalpbahn (WAB) によって運行されており、村にはラウターブルンネンから直接、またはグリンデルヴァルトからクライネ シャイデック経由の電車で、またグリンデルヴァルトからメンリヘン経由の一連のゴンドラ リフトでアクセスできる。アイガー、メンヒ、ユングフラウのふもとにある峠であるクライネ シャイデックでは、グリンデルヴァルトとグルントに下車するには、下車して列車を乗り換える必要がある。ラウターブルンネンからヴェンゲン駅までの鉄道サービスは、毎日早朝から深夜まで運行しており、ヴェンゲルナルプバーンで最も集中的に運行されている区間である。. ラウターブルンネンからヴェンゲンまでは毎日約 40 本の便がある。各サービスは、最大 4 つの別々の列車で構成され、互いに密接に並んで運行されます。これは、繁忙期には、スケジュールされた列車の後に必要に応じて追加の列車が続き、キャパシティを最適化できるためである。(Wikipediaより)

Wengen (Flickr)

ウェンゲン周辺のハイキング・ルート

ユングフラウ

ユングフラウ(独: Jungfrau 「乙女」「処女」の意)標高4,158mは、スイスベルン州のベルナー・オーバーラント地方にあるアルプス山脈の山で、ユングフラウ山地の最高峰である。初登頂は、アーラウ在住のメイヤー兄弟によって1811年に成し遂げられた。かつては登るのが難しい山であったが、現在はユングフラウ鉄道(全長9.3km)のラック式鉄道が標高3,454mのユングフラウヨッホ駅まで運行している。この駅はヨーロッパで最も高い位置にある鉄道駅である。ヨッホとは山のピークとピークの間の鞍部を意味する。グリンデルヴァルトラウターブルンネンからヴェンゲルンアルプ鉄道を利用して、クライネ・シャイデック駅でユングフラウ鉄道に乗り換えユングフラウへ向かう。

ユングフラウ (Flickr)

クライネシャイデッグ周辺のハイキング・ルート

 

グリンデルヴァルド

グリンデルヴァルト(Grindelwald)は、スイス・アルプスにあるベルン州山岳地方(ベルナー・オーバーラント)のインターラーケン区に属する村でかつ基礎自治体であり、インターラーケンとともにベルナーオーバーラント地方の観光の拠点となっている。

人口は約4,000人で、ユネスコ世界遺産に登録されているユングフラウ~アレッチ~ビエッチホルン地域への観光や、登山・トレッキングの拠点として、夏には主にハイキング・トレッキング目的の観光客、冬はヨーロッパ人のスキー客でにぎわう。村はアイガーの麓に位置し、氷河の他にも雄大なアルプスの花畑(冬はスキー場)を展望することもできる。村内には数多くのホテルやレストランがあり、グリンデルヴァルト駅前には日本人スタッフが常駐する日本語観光案内所もある。ゴンドラやスキー用のリフトは夏でも運転され、様々なルートでU字谷が美しい反対側のラウターブルンネンを訪れることができる。(Wikipediaより)

Grindelwald (Flicker)

グリンデルヴァルド周辺のハイキング・ルート

バッハアルプゼー(Flickr)

標高2265mにある有名な山上湖。ヴェッターホルン、シュレックホルン、フィンスターアールホルンなどの山々やグリンデルワルト氷河を湖面に映し出す"ミラーレイク(鏡の湖)"で、その美しさから“アルプスの宝石”といわれている。(スイス観光局Webサイトより)


 

ヴェッターホルン

ヴェッターホルン(標高3,692m)は、グリンデルワルトの正面に聳える山。ヴェッターホルン山群の一つ。もっとも高いのはミッテルホルン(3,704m)、その次がローゼンホルン(3,689m)である。初登頂は、1844,グリンデルワルトの登山ガイド Hans Jaun と Melchior Bannholzerであった。

(Wikipediaより)

ヴェッターホルン (Flickr)

参考文献:


世界遺産クイズ

世界遺産検定クイズ

 

関連動画へのリンク

旅するように学ぶ世界遺産『ユングフラウ-アレッチュのスイス・アルプス』

Rick Steves' Europe

Switzerland 4K Video

UNESCO公式HP(英語版)へのリンク

https://whc.unesco.org/en/list/1037

-スイス, 世界遺産100選, 検定3級, 重要遺産
-, , , ,