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小笠原諸島

2021年3月19日

概要

自然遺産
資産名:
小笠原諸島
Ogasawara Islands
国名:日本
登録年:2011年
登録基準:(ix)
概要:
小笠原諸島は、日本列島から約1,000km離れた太平洋上にある離島で、日本列島や大陸と陸続きになったことがないために、多くの固有動植物が独自の進化を遂げながら生息している。約100種の陸生貝類が確認されている。周囲の海域には数多くの魚類やクジラ、サンゴが生息する他、オガサワラオオコウモリや約100種の絶滅危惧種の鳥類が生息し、貴重な生態系を形成している。島に定着した生物は、ほかの地域の生物と交わることがなかったため、独自に進化し種分化が起こる。このように起源が同じ生物群が、異なる環境に適応して生理的または形態的に分化することを適応放散という。とりわけ小笠原諸島においては、陸産貝類と維管束植物が高い固有率を示している。

地図

スライドショー

Beautiful,South,Island,Of,Ogasawara,Archipelago,,Japan
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評価された登録基準

2011年6月19日にパリのユネスコ本部で開かれた第35回世界遺産委員会で、小笠原諸島は評価基準のうちの「生態系(ix)が世界遺産の普遍的価値として認められた。その内容は「世界遺産の区域小笠原諸島は、固有種が多いことと適応放散の証拠の多いことの両方が、他の進化過程を示す資産とは異なっており、その小面積を考慮すると、陸産貝類と維管束植物は例外的に高い固有率を示している」ということであった。「地質・地形」(viii)(海洋性島弧発生と進化過程を示す世界で唯一の場所)や「生物多様性」(x)(多くの固有種と世界的な希少種)の評価基準も推薦していたが認められなかった。遺産の保全管理については、「大規模、かつ増大している保全の投資を称賛」、「複数機関が協力していること」、「推薦、地域住民参画のレベルの高さ」などが評価された。

遺産の概要

小笠原の生態系

小笠原の気候は年間を通じて温暖であり(年平均気温23℃)、気候帯では亜熱帯に含まれている。ただし、同様の気候帯のマリアナ諸島やハワイ諸島などと比較すると、気温の年較差が10℃と大きいことが特徴といえる。年降水量は1,280mmで、比較的乾燥している。我が国の亜熱帯は、南西諸島と小笠原諸島の2箇所にありますが、それぞれの地域の生態系は大きく性質を異にしている。その違いが生まれた最も重要な要素は、小笠原が海洋島であるという地誌的な条件である。

小笠原の生物はすべて何らかの方法で(鳥に運ばれたり、海流や風に流されたり、流木に付着したりして)、島に偶然たどり着き、島の環境に適応して生き残ったものの子孫である。小笠原に定着できた種は、その後本土とは隔離された状態で長期間独自の進化の道を歩み、その中には固有種へと進化するものも出現した。

このように、小笠原でしか見られない固有の生物が多く生息・生育していることから、小笠原は「東洋のガラパゴス」と呼ばれています。特に、陸産貝類や植物、昆虫類においては、今なお進行中の進化の過程を見ることができるため、小笠原は、種分化の過程を良好に保存している「進化の実験場」といえる。

また、小笠原は、アホウドリ類など世界的に重要な絶滅のおそれのある種の生息・生育地であり、太平洋中央海洋域における生物多様性の保全のために欠かせない地域でもある。

小笠原の海

小笠原の海は、同緯度にある沖縄の海とは異なり、濃い青色をしている。サンゴ礁や色とりどりの熱帯魚、海中へ向かって鋭く落込む黒い岩肌など、多彩な海中景観が広がっている。また、小笠原諸島の周辺には数多くのイルカやクジラなどが生息しており、日本最大のアオウミガメの産卵地でもあるなど、海域においても様々な生物を見ることができる。

小笠原の魚類については、固有種の判断が難しいことから陸上の生物ほど研究が進んではいないが、それでも、淡水魚ではオガサワラヨシノボリ、海水魚ではオビシメやミズタマヤッコ、ミナミイカナゴなどが固有種であるとされている。また、他地域と小笠原周辺では体色が異なるなど地理的な変異が見られる種(ミナミイスズミなど)も数多く知られている。

(小笠原自然情報センター「世界自然遺産 小笠原諸島」より)

登録区域

小笠原村ホームページより

小笠原では、海によって隔たれた小さな島において独自の進化を遂げた多くの固有の生き物やそれらが織りなす生態系を見ることができる。 小さな海洋島における生物の進化を示す典型的な見本として、世界的な価値を持つことが認められ、世界自然遺産に登録されることになった。元々同じ種類の生き物が環境の違いによってそこに適した形や色へと変化し、生理的または形態的に分化することを「適応放散」という。小笠原においても、この「適応放散」を見ることができきる。例えば、小笠原のカタツムリのうち、カタマイマイというグループは、木の上で暮らすものは淡い色の、土の上で暮らすものは暗い色の殻を持つなど、適応放散によっていろいろな種類に進化してきた。確認されている在来の哺乳類が、飛行能力をもつオガサワラオオコウモリ1種のみであることも、海洋島における生態系の特徴といえる。

(小笠原村ホームページより)

オガサワラオオコウモリ (Flickr)

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関連動画へのリンク

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UNESCO公式HP(英語版)へのリンク

https://whc.unesco.org/en/list/1362

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