文化遺産
遺産名:
El Tajin, Pre-Hispanic City
国名:メキシコ
登録年:1992年
登録基準:(iii)(iv)
概要:
エル・タヒンは、古典期後期 (A.D.600-900) から後古典期前期 (A.D.900-1200) まで繁栄した祭祀センターであり、世界遺産に登録されている考古遺跡の一つである。ベラクルス州、パパンテカ山塊 の脇、パパントラの町の南西8kmにある、二つの渓谷の間の北緯20°38′35″、西経97°22′39″の地点に位置する。エル・タヒンという名称は、タヒンと呼ばれる12人の老人がこの遺跡に住んでおり、彼らは雷雨の神であるという地元のトトナク族の神話伝承に由来している。前述のように現在トトナク人が近隣に住んでいるため、トナク人の建てた都市とされてきたが、最近の研究の成果に伴いマヤ系のワステカ人によって建設されたものではないかという説が有力になりつつある。
エル・タヒンの建築物は、斜面状の基壇の上に長方形の基壇を載せたいわゆるタルー・タブレロ基壇の上にタルー部分をそっくり逆さにしたような“ひさし”状の部分を付けることにひとつの特徴がある。もうひとつ目立った特徴として、タブレロ部分に装飾的なニッチ(壁龕)を用いていることが挙げられる。かってそのような神殿の外壁には漆喰が被せられていた。エル・タヒンの階段状ピラミッドは、表面を切り石で覆って、内部に土と荒石を用いて、長方形の「広場」を囲むように建てられていることが多い。エル・タヒンのピラミッド基壇は、石灰岩で造られ、石材を繋ぐ目地部分には一種のセメントが用いられ、建物全体は、たいてい赤色に塗られたが、黄色や青が使われることもあった。建物の継ぎ目などからはみ出そうとしているセメント(凝固材)をバスケット(編みかご)や木の葉を使って押し付けている痕跡を見ることができる。建造物を造る際の土やセメントを運ぶのにバスケットを使っていたことを窺わせるものである。
(Wikipediaより)