文化遺産
遺産名:
シギショアラの歴史地区
Historic Centre of Sighişoara
国名:ルーマニア
登録年:1999年
登録基準:(iii)(v)
概要:
かつてラテン語でカストゥルム・セクス (Castrum Sex) と呼ばれたシギショアラの歴史地区は、現在もなお人々が暮らす中世的城塞都市であり、その美しい街並みは「ルーマニアの宝石」とも称えらている。13世紀にハンガリー王国の移民政策によって入植したドイツ人がつくった城下町である。トランシルヴァ地方の商業の中心として発展し、1367年には自治都市となった。市街には中世の栄華を物語る建造物が多数残っている。世界遺産を構成するのは、城塞都市の防衛機能を担った防壁と見張り塔、いくつかの広場と教会、それと中世的な景観を保持している赤い屋根が並ぶ民家群などである。
Photo by carpí,MarculescuEugenIancuD5200Alaska, Piotr Gaborek, 00Joshi, Coleccionista de lugares ,Alexandru Velcea, David Stanley from Flickr
主要な構成資産
時計塔と3つの広場
時計塔 (Stundturm / Turnul cu Ceas) はシギショアラ歴史地区でひときわ目立つランドマークである。自治権獲得の記念として14世紀半ばに建造された。塔の屋根に備わっている4つの小塔は、裁判の自治権を象徴するものである。
時計塔では17世紀につくられたからくり時計が今も機能している。この時計は時間が来ると、機械仕掛けの人形が出てきて時を知らせるようになっており、城塞内に面している時計盤と下町を向いている時計盤とでは、出てくる人形が異なっている。
山上教会と屋根付き階段
山上教会は城壁の南側、「学校の山」に位置している。なおそこには山上学校があり、現在はドイツ語学校となっている。旧市街から山上教会へは、屋根つきの木造階段を上っていく。屋根は冬場に礼拝や通学のために丘に登る人々のことを考慮して付けられたものだという。現在は175段あるが、1642年に出来た当初は300段あり、1849年に現在の段数になった。
ヴラド・ドラクル邸と中世武器博物館
シギショアラはドラキュラのモデルとして有名なヴラド3世が生まれた地であり、その邸宅が残っている。時計塔のすぐ近く、城塞都市広場に面するその邸宅は、1431年から1435年にヴラド3世の父ヴラド2世が幽閉されていた場所で、ヴラド3世はその幽閉期間中に生まれた。現在はレストランに改築されているが、その店名はそのまま「カーサ・ヴラド・ドラクル」(ヴラド・ドラクル邸)である。
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